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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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39話 MV制作に取り掛かるにゃー


 楽曲を作り終えた私たちはその後すぐに練習をしてレコードに保存するという作業を2週間で終わらせるという結果になった。

そうして、ある日の朝。


「思ったよりも……レコーディングかなり早かったですわね」

「みんなのおかげにゃ!それに個人でレコーディングしているからセットとかの時間が抑えられたのも大きいにゃ!」

「シャーリンさんの言う通りですよエリさん」

「そんなことわかっていますわ!!」

「まだすることが残ってるでしょ……」

「そうですわ~ミシュさんの言う通りですわ~まだMV制作が残っていますわ~」

「そうだ、私、明後日にレースあるから、今日と明日はMV制作に参加できない」

「そうにゃ!!レースの事忘れていたにゃ!!」


そう……ミシュは2日後にある2回目の鳥1級レース【ブラウター】に出場することが決まっている。

元々レース目的の学園でレースをおろそかにするわけにはいかないのだ。


「まぁ、なんですの!1回目の事は気にしなくてもいいと思いますわよ!!誰だって焦るときはありますわ!」

「エリさん……あなたは黙っていてくれませんかね?」


とロミがエリの頬を掴み引っ張る、エリはぎゃぎゃ叫びながら暴れているが、私は1回目のミシュの大敗を考えてしまう。


「ミシュさんなら大丈夫ですわ~前とは別人になりましたわ~」

「ありがとう!スライさんが言うならばもう安心だね!」


ミシュの顔が元気になるとそのまま部屋を出ていった、レースの為に最終チェックをするらしい……

外を見ると鳥族が3人ほどトレーニングで飛び回っていた。

何せ次のレース【ブラウター】は鳥族3連王の1レース目なのだ……1年からはミシュだけが参加するらしい。


「とにかく!私たちはミシュさんに頑張っ勝ってきてもらうためにも!最高のMVを作りますわ!」

「賛成にゃ!エリさん!ところで……MVってどう作るにゃ?」

「え??それは歌って踊るのですわ!!」

「いや……合ってるけど違いますよ……」

「私が説明します~いわゆる曲のイメージに合った私たちの短編映画を流すというものですわ~」

「にゃるほど!じゃあ早速取り掛かるにゃ!」

「ちょっと待ってください!映画ということは録画が必要です!録画を編集しないといけませんから……そもそもそんな機械はないのでは?」


そういえばそうだった、この私はこの世界に来るときカメラを持ってはいなかったため、録画を撮ることが出来ないのだ。


「まずはビデオカメラを買いに行くところからですね……」

「そうと決まれば行きますわよ!!」


ということで私たちは機械店に向かって歩き出した。ここまでくるともはや前の世界とあまり変わりがないのだが……やはり周りの動物たち風に異世界……つまり……元の世界と同レベルの技術力を持った異世界ということになる。

というか……魔力カードがある時点で元の世界を超えているだろう、元の世界では……確かご主人様がかざすだけで清算できると言っていたが、硬貨自体は出してはおらず不安になっていたのだ。

しかしこの世界では……カードから硬貨を取り出すことによって安全に支払いができる便利物……


「このビデオカメラ良いですわね!!」

「ついでにスピーカーも買うにゃ、曲を流しながら踊ったりする方がいいにゃ」

「それは賛成です!ではこの巨大な……」

「ダメですわよ!!こんなの私持てませんわ!!」

「エリならば大丈夫ですわ~」


そういって2人が選んでいるのは……背の2倍ほどもある大きなスピーカー2つだった、さすがにこれは力持ちのエリでも不可能だということがすぐに見て取れる。

2人はどうしても欲しいような顔をしていたのだが……これ以上エリの体に負担をかけるわけにはいかないために、小さめかつ大きな音が出るスピーカーを選んだのだった。


「本当にありがとうございますわ……シャーリンさん……あんなもの私には到底無理でしたわ……」

「にゃはは……荷物持ちはエリさんにゃ……そこまで無理をしなくてもいいにゃよ~」


正直小さくしたとはいえ、かなりしんどそうにスピーカーを運んでいる。ロミとスライは隣でお菓子やデザートの入った袋を担当で持っていた。

そう結局、機械の詳しい私と荷物持ちのエリさんが機械系担当でエリさんとスライさんが私たち【シャースミミリン】皆の為にお菓子とデザートを買うことになったのだ。


「2人の喧嘩にはもうこりごりですわよ……」

「それは分かるにゃ……カバン後ろから支えるにゃよ!」

「ありがとうですわ!シャーリンさん」


ということで私とエリは上機嫌な2人の後をゆっくりとついていくことにするのだった.

寮に帰ってくるとスピーカーはロミさんとエリさんの部屋、ビデオカメラは私の部屋に置くようになるのだった。

ビデオカメラならば私でも持てる、対してスピーカーはエリにしか持てないほどの重量があるためにエリのの部屋にしたのだ。


「それじゃあ!明日はミシュの応援!明後日からMV制作本格的に開始にゃよー!」

「了解ですわ!!」

「分かりました」

「は~い」


私たちはその場で解散しそれぞれ部屋に戻っていくのだった。


(明日ミシュ……大丈夫かにゃぁ……)


1回目とは違い、ちゃんと気持ちの整理は追いつけているようだったのだが……やはり心配になる……2回目とはいえ1級レースでしかも3連王の一歩目なのだ……正直私には想像がつかない……でも必ず勝てる!と願うしか私には方法がなかった……1回目の事を引きずっていなければいいのだが……

そうして私は眠りに落ちるのだった。

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