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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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36話 歌詞を考えるにゃー(1曲目)


 今日私は歌詞をつけるために悩んでいる、作曲は決まっても作詞はまた違う難しさがあるのだ、というよりも歌詞の方が難しいのではなかろうか……とも思ってしまう。

何故なら全く何を書こうか思いつかないのだ。1曲目は癒しをテーマに……ということでまずは癒される歌詞にしたいのだが……


「癒しにゃ……どうしようかにゃ……」


私はうんうん唸りながら紙に文字を書いていく……1番目のサビ始まりまではかけたのだが全然進んでいいなかった……やはり曲をつくるのはかなり難しいことが分かる。


「癒しってどうすればいいにゃぁ~」

「ただいま」

「おかえりにゃ」


扉を開けて入ってきたのはフランだった……どうやらフランも曲を書いているらしく、すぐさま隣の部屋に入っていく……


(フランになにか歌詞のヒント聞けないかにゃぁ……)


私はリビングからフランの扉をノックする……あまりフランの部屋に行かないのだが、今日は歌詞の書き方を教えてもらうためには不可欠だったのだ。

しばらく待っていると扉が開きフランが顔を出す。


「何?私曲作りで忙しいんだけど」

「あ!あのにゃ……歌詞作りについて少し教えてほしいにゃ……」

「何で私に聞くの?あなたのチームで考えたらいいじゃない」

「それが私達全員曲を作ったことないんにゃ……だから全く書き方が分からにゃくて……ソロとして……1人で作詞作曲をしているフランがいいかも!って思ったのにゃ」

「はぁ……私はライブの敵だけど?どうしても敵に教えてもらいたいの?」


フランは首を傾げながら私の方を向く……そりゃそうだろう……わざわざライバルであるフランに教えてもらうなど普通はあり得ないのだ。


「そうにゃ、フランがいいにゃ」

「いいわ、その代わり物には触らないで」


私はゆっくりとフランの部屋の中に入っていく……フランの部屋はすごくきれいで……まるで新居そのものだったのだ。

そして机の上には作詞作曲の紙……そして3人の集合写真が飾られていた。


「この写真の隣2人は誰にゃ?」

「私のお姉……レミンとミシュリーさん、あまり見ないで」

「真ん中のフランも2人も可愛いにゃぁ~」


フランがかなり小さい時の写真なのだろうか……とても笑顔で笑っている……

レミンさんとミシュリーさんは確か……昔伝説世代の5強と呼ばれていたのだが……レミンさんはフランさんの姉……


「そんなことよりも作詞の仕方聞きたいんでしょ?何を聞きたいの?」

「あっそうにゃ……どんなふうに書いたらいいかにゃ~って」

「そんなの自分が感じたことでいいじゃないの?自分が書いたことをそのまま歌詞にすれば、正直私とあなたでは歌詞の書き方が違う……けど一つ言えることは、シャーリンさん、あなたは恐らく人に聞かず、自由気ままで、感じたことを書いたらいいんじゃないの?」

「自由……気まま……」


フランに頭を下げ、自分の部屋に戻るとしばらくカーペットの上に座る、つまり癒しというのは……

私は皆に言われていたことを思い出す。


「シャーリンさんって癒されますわね」

「それ分かる!ほっこりしてるよね」

「私も分かりますわ~可愛いですわ~」

「私も同感です」


(癒し……ってもしかして私の事にゃ!?でも歌詞に私の事にゃんて書けにゃいにゃぁ……)


「自由気ままで感じたことを書いたらいいんじゃないの?」


(いいや!私の事だからって……書いたらダメってことないにゃ!)


「よーし!やってやるにゃ!絶対に良い歌詞にして見せるにゃ!!あっ……でもタイトルは『私たちの癒し』……つまり私を含む皆の癒し要素を書けばいいにゃ!」


ということで私は再び新しい紙を用意し、筆を進めていく……

音楽未経験のわたしには難しすぎる挑戦なのだが、ここで諦めるのは私じゃないためなんとしてでも完成させるようにと……心に決めた

そうして書き始めることもう2時間ほど経過してようやく……


「やっと……ラストのサビまで来たにゃ!!長かったにゃぁ……でも……この歌詞には…‥私たちが持ってる癒しのすべてが詰まっている気がするにゃ!このまま……書き進んでいくにゃ!!」


ということで私は必死にラスサビを書いていく……

そうして書く事約20分ほどが経過し……


「私たちの癒しへと~……うん!うん!!これでいいにゃ!!」


私は1曲目の歌詞を書き終え紙を上にあげる……歌詞を書くのにかかった時間は……3時間半はかかってており……私は途中で挫折するかと思ったのだ。


「早速皆に見せてみるにゃ!!」


ということで私は歌詞の紙をもってミシュの部屋に皆を呼び出す……

ミシュとスライは目を輝かせて私の様子を見ている。


「まだダメにゃよ!エリさんとロミさんが来てからにゃ!」

「はーい」

「はーいですわ~」


2人はがっくりと頭を落とす……どうやら2人よりも先に歌詞を見て自慢しようとしていたのだろう……がまあこの曲は私達全員の曲だったので全員で見たかったのだ。


「歌詞できましたの!!?」

「こらエリ!はしゃいだらダメですよ!」

「1曲目しかできてないにゃ」


ちうことで私は歌詞を広げる……皆は食い入るように見ている……

正直この歌詞が皆に合うかどうかは分からない……もしもダメならば……この歌詞は捨てる……それだけに考えていた。


「「「「とてもいい歌詞です!!」」」」

「うにゃん!!?」


私は4人の一斉な声にびっくりする、

4人の方を見ると全員涙が零れていた……一応この歌詞は癒しもあれば感動もあるような歌詞になっているため泣くのは……分かるのだがここまで号泣するとは思わなかったのだ。


「じゃあ1曲目『私たちの癒し』はこれで行くにゃ!」


私の言葉に4人は全員で大きく頷く。

しかしまだ終わりではなく、これから私の特に好きな2曲目……この世界に来てみんなを見て、作り上げた楽曲が待っているのだ。

本当の作詞つくりはこれから始まる。

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