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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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33話 楽器を買いに行くにゃー


 「シャーリン遅いよ!」

「ごめんにゃ!手間取ったにゃ」


私たちはそのまま学園の外に歩いていく……もちろん外出許可はもらっているのだが、このメンバーで買い物に行くのは合宿のキャンプ以来だろう……


「こんなところに楽器屋さんがあったにゃんて……」

「第1ライブ会場に行くときここ通ったけど私も気付かなかったです」

「スライさんありがとうですわ!」

「いえいえ~私はたまたま知っていただけですわ~」

「たまたまで見つけられないよ……この場所」


ということで私たちは楽器店の中に入っていく……中はとても大きく無数の楽器が並んでいた。どうやら皆も楽器店に入るのは初めてらしく……


「うわああ!凄いですわよ!!」

「エリさん!確かにすごいですけど……そんなにはしゃがないでください!!」

「子供ですわ~」

「子供だね……」

「子供にゃぁ……」

「皆さん酷いですわよ!!?」


ということで私たちは笑いながら楽器を選んでいく……とはいえ私はマイクを全員分買うだけなのだが……


「シャーリンって何か楽器していたことあるの??」


ミシュが興味本位な顔をして私の顔を見つめる。私は前世が猫なので正直何もわからなかった……のだが1つだけ私が大好きな楽器があった。それは……以前私のご主人様が弾いていた楽器……


「なぁリンリン!これ知ってるか?」

「にゃにゃ?(なにそれ?)」

「琴と言ってこの弦を支える()よりも右側をこう……右手の爪で弾いて音を出す楽器だ……聞いた方が速いかもな」

「にゃー(えー)」


私はその時は全然興味がなかったのだ……何せ私の興味はご主人様本人……まぁ……ご主人様が弾きたいオーラ満載なためしぶしぶ聞くことにした。

その時の音色で、見事に私は琴の音色にはまった。そこから私は隠れて楽譜を見ていたりした。

という事で……


「琴をしたいにゃ」

「なんですか?それは……」

「え?あれにゃ、弦を弾いてこう……」


私はご主人様がしていた引く姿を素振りで再現する……のだが、やはり私たちの中では誰も知らないようで……どうやらこの世界には琴という楽器がないらしい……


「そういえばここはオーダーメイドで楽器作ってくれるらしいですわ!」


とエリが店長を連れてくる……店長は幼い姿をしていて……小学生だろうか?その人が店長で私はちょっと困惑する。


「君がオーダーメイド希望者じゃな?」

「じゃな……?」


私は思った以上に可愛い声でおばあさん口調に驚く……がそのことをどうやら店長さんは見逃さなかったらしく私の顔を見る。


「なんじゃわしの事子ども扱いしようとしたのかの??わしはエルフ族じゃこれでも50年生きておる、まぁ……長寿のエルフからしたら全然子供じゃがな」


ということで私は琴の絵をかき店長に見せる。店長はしばらく悩むような顔をするも何かを決めた顔で頷いた。


「分かったのじゃ、しばらく待っておれ……そうじゃな……今日の夜くらいに来てくれたら出来上がってるぞい!にしてもかなり……難しい楽器を作らせおって……この小さいのもか?」

「それは弾く爪にゃ!お願いするにゃ!」


ということで私はとりあえずマイクを買い一旦カラオケ屋へ行くことにするのだった。今回行ったカラオケ屋は一応楽器持ち込みOKということで……早速皆試し弾きをしていた……

皆さん昔に経験したことあるとは言っていたのだが……全員予想を超える上手さに驚いてしまう。


「うーん……まだまだですね」

「ロミさん十分上手だったにゃよ!?」


どうやら皆さんの意識が高すぎるようで……素人の私からしたら全員ものすごく上手に感じる……

そうして何回か練習をしていると……何やらモニターに通知が入ってくる。


「私の楽器が出来たみたいだにゃ」


ということで私たちはもう1回楽器店に向かった。

中に入ると何やら奥の部屋に案内される……大きくてここで出してしまうと壊れてしまう恐れがあるためだ。


「うにゃああ!!琴にゃ!弾いていいにゃ!?」

「もちろんさえ、あんたの楽器じゃ」


私は早速爪をはめると右手で弾く……が何かが違う……

私は()を移動させて音を合わせていく。

前世で言うチューニングと言うもの……よくご主人様が言っていた。琴は湿気や温度で音が変わると。


「聞いたことの無い音色ですわね……」

「どうなるんだろ」


エリとミシュが何やら心配そうに見つめてくる。が私はゆっくりと音を合わせていく……


「よし!」


私は前回覚えた曲を演奏していく……配置は楽譜を何回も見ていたためになんとか覚えていた。


「凄いですわ~」

「うむ……案外良い物じゃな……普通の楽器では出せないような音をしておる。シャーリンと言ったか?お主にしか扱えない楽器じゃ、大事にするが良い」

「ありがとにゃ!!」


私はそのまま琴に抱き着いた、まさか琴に出会えるとは思わなかったのだ。しかも昔ご主人様が弾いていた楽器をまさか私が演奏する……私にとってこれほどの幸福はなかった。


「さあ!明日から本格的に曲作りですわよ!!」

「「「おー!!」」」


ということで私たちは楽器屋を後にし、全員笑顔で学園に戻っていったのだった。

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