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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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外伝 3ー2ー2話 全員で鬼ごっこですわ~(後編・スライ視点)


 私とセイリンは食べ過ぎによる倦怠感で後半戦開始の放送が鳴るまで地面に寝転がり眠っていたのだった。


「後半戦始まるの!」


セイリンが慌てて起き上がると弁当たちを近くの管理人さんに渡す。

そう、この鬼ごっこは私達一年生が考えた企画なのだが、まさかの生徒会長含む伝説の世代が鬼として登場しているために、テレビ実況されることになったのだ。


「私たちの寝顔が見られましたわ~!!」

「え!?それは絶対いやなの!」


私たちはとりあえず片づけるとそのまま飛んでいく、今回の後半戦のミッションは、ボール探しということで上空を探索することにした。セイリンは1人で移動するのが嫌だったのか、私と一緒に行動するということで、ずっと後ろをついてきている


「上空と言っても風船が見えませんわ~」

「誰かが先に取った可能性があるの!」

「確かにそうですわ~じゃあ私たちは……!セイリンさん逃げますわ~奥に先生が飛んでいますわ~」

「退却なの!!」


ということで一旦逃げることに最優先を置いた。どうやら私達には気付いていないらしく、バレないところまで飛んでいった。


「上空だとよくバレるの」

「仕方ないですわ~木の上しか隠れるところはないですわ~」

「じゃあ木の上を探してみるの!」

「良い案ですわ~でも地面にも隠されている可能性がありますわ~」


ということで私たちは一旦別行動し、木を重点的に時間があるならば地面を歩いて探すことになった。


「案外ありますわ~」


私は運がいいのか、もう5個目を取ろうとしていたが……先生たちも本気になって全体を探しているのか割と出会う確率が高くなっていた、そのたびに隠れてやり過ごすというなかなか危険な状態が毎回続いていた。

そうしてしばらく飛び回っていると前からセイリンが飛んできた……どうやら先生から逃げているようで後ろにはドラゴンの羽が見えているのだ。


「あっ!スライなの!助けてなの!!」

「無理ですわ~!」


ということで私も逃げる。正直精霊族であるセイリンには一瞬の加速では圧倒的に負けてしまうため、私はなるべく早めに逃げることにした、どうやらセイリンにも私の意図が伝わったのか加速をせずそのままの速度で飛んでくれる。

体がもともと小柄な私蝶族とセイリンの精霊族が得意な長距離持久戦にしようと考えたのだ。体が小柄……ということではあまり関係のない事なのだが、先生はドラゴン族の為、体力を大幅に消費し、ものすごい速度を出す種族であるがための私たちの作戦だった。

その作戦がうまいこと言ったのか先生は徐々に離されていき、もう姿が見えなくなってしまっていた。


「さすがなの!スライさん!」

「どうもですわ~これだと私たちの体力も温存出来ますわ~」

「ところで私1個集めたの!」

「これで6個ですわ~あとは他の人に任せますわ~」

「私どこに持って行くか分からないの」

「私もわかりませんわ~とりあえず全体で20個あるはずですわ~」


ということで私たちは残りの時間でボールを入れている場所を探すこととなった……のだが……


「どこにもありませんでしたわ~」

「私も見つけられなかったの!」

「とりあえず残り3時間ですわ~いい隠れ場所があるんですわ~2人で隠れましょう~」

「賛成なの!」


ということで私たちは初めにいたところを目指していこうとしたのだが……


「スライさん!前に生徒会長なの!」

「バレる前に逃げますわ~!ユニコーン族には見つかると危ないですわ~!」


ということで私たちは慌てて急旋回し川にかかっている橋の下に逃げ込んだ。運よく生徒会長には見つからなかったようでほっと溜息をつく。

総生徒会長は数少ない伝説の種族の1人でありユニコーン族なのだ。ユニコーン族は飛行と陸上両方を得意としている。

本来は両方鍛えるのは本来かなり難しいはずだったのだが、生徒会長はそれを成し遂げ、あるレースを除き全レースを制覇したのだ……

陸上、空中レースともにレコードを出すという偉業も持っていた。

ちなみにこの記録は13年経った今も更新されていないそうで……


「とりあえずー息ですわ~」

「とても疲れたの……」

「推し達―!!はっけーん!」


と奥から声が聞こえる……この声はどうやらピョリンさんのようだったが私たちの方から見えず、上から悲鳴がなった。

どうやら橋を渡っているときに見つかったらしい……ドタドタと上から走る音が聞こえそのまま遠ざかっていった。


「本当に心臓に悪いの」

「そうですわね~どうやらここもまずいみたいですわ~」


そう奥から生徒会長が飛んでくるのだ……まっすぐここに向かって……


「急いで逃げますわ~」

「ちょっと待ってなの!!」


私たちは生徒会長との逆側に逃げたが……どうやら見つかったらしくものすごい速度で近づいてくる…‥羽の音を聞くに余裕で私たちを超えているだろう……


「このままだと追いつかれるの!このアイテムを使うの!」


とセイリンが水鉄砲を取り出した……私は本気なのかと目を見開くと聞く前に頷かれた。


「行くの!」


とセイリンが後ろに水鉄砲を撃つとまっすぐ水が飛んで……行かなかった。

なんと霧状に噴射したため生徒会長の姿が見えなくなったのだ。私はここで確信した、これは目隠し用アイテムだったと。


「セイリンさんさすが~やりますわ~!」

「今のうちに逃げるの~!」


ということで達は猛ダッシュして逃げた……のだが……


「はいセイリン確保だ」


私の後ろからそんな声が聞こえた……


「生徒会長なの!!?」

「まずいですわ~!!セイリンさんごめんですわ~」

「スライさん!私の代わりに逃げ切ってなの!!」


ということで私は羽とアイテムでその場から緊急離脱をするように凄い速度で飛ぶのだった。

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