26話 鳥族3級王にゃー
「ということで今日もステップの練習行きますよ！！ちゃんと復習してきましたよね！！？」
ロミが私たちの顔を覗き込んでくる……私は昨日の成果の為に手を挙げる……
「私ちょっとやってみてもいいにゃ？」
「どうぞ構いません」
ということで昨日フランさんがやっていた足をクロスさせたときに……ピースからのウィンク……を完璧に成功させた。
「シャーリンさん昨日と全然違いますわよ！！？」
「とってもかわいいですわ～」
「そんなに可愛くなるんだ……」
「そんな感じです！！皆さんも1人ずつお願いします！！」
ということで残り3人も昨日教えてもらったようにちゃんとステップを踏んでいる、
「皆さんできるじゃないですか！！では次のダンスに行ってもよさそうですね！」
ということで私たちはロミさんからたくさんのダンスを教えてもらうことになたのだった、
そしてその日の夜……私たちは寮でテレビを囲んでいた。
「何かあるんかにゃ？？」
「今日はここの先輩方の鳥1級レースの日ですわ！」
「しかも……鳥3級王にリーチをかけているレミルさんが出場しますわ！！わたくしたちの1つ上ですわ」
「3級王誕生したら何年振りかしら～」
「私のお姉さんより前だから……10年くらい？？」
「楽しみですね！」
ということでテレビに入場の様子が映し出される
『さぁ！始まりました鳥1級レース3級王最後のレース……【ヒューリンガースカイ】今回最も優勝候補として挙がっているのは現在で2級王……そしてこのレースで優勝すれば15年ぶりの3級王となるレミル・アルべリアです！』
『今回はスラチオ学園からの2級王を目指してやってきました！前回の【カバウム】では圧勝のレコードタイム所持者ですからね……今季最強鳥族とも言われていますね』
鳥族たちが全員滑走路に並ぶ……そしてそのまま一斉に飛び立った。
「【ヒューリンガースカイ】には悪魔が潜んでいるといいますわ～」
「悪魔にゃ？？」
私には良く分からなかった……もしかしたら大災害か何か起こるのか……
「あくまで例えだよ、シャーリン、【ヒューリンガースカイ】は鳥1級レースで行き300KM帰り300KMで最長の600KM……そして行きでは様々な山を上を飛んでいかないといけないから……強烈な乱風に襲われる……そうして奥に見える大きな山を一周し私たちのもとに帰ってくる……けど帰りはちょうど逆方向に吹いている暴風の場所がある……魔の逆風ともいわれている地帯……」
「主に行きでどれだけスピードを抑え、スタミナとパワーを温存できるかがカギになりますわ～」
『激しい乱風が吹き荒れる中！早速折り返し地点から折り返したのは……やはりこの鳥族！レミルだ！！最強の名に恥じずどんどんと後続を突き放していく！！さぁ残りは最難関の魔の逆風！ここをどう乗り越えるか！！』
私達は気づいたら必死にレミルを応援していた……カメラ越しでもわかるくらいの大きな渦が長いこと広がっていた……
レミルはそのスピードのまま突っ込んでいく……がやはり最強鳥族でもあまりの逆風になかなか前に進めていないようだった……
「そろそろ抜け出さないとまずいですわ～～」
「大丈夫にゃ！まだあきらめてないにゃ！」
とレミルが速度を上げる……暴風によりふらふらしているが着実に出口に近づいて行く……
『なんと！レミルが出口に近づいてきました！！ここを抜けると3級王はもう目の前です！！』
ヒミルはそのまま叫びながら暴風を突き抜けた……その途端周りの観客から歓声が巻き起こる
「抜けたにゃ！！」
「行けますわよ！！！」
「頑張ってくださいですわ～～！！」
「いっけー！！」
「頑張ってくださいレミルさん！！」
私達はテレビの前で祈ることしかできなかった。
『レミルが残り50Mの標識を通過しました！！このまま突っ切ってしまうのか！！無事3級王の称号を手に入れることが出来るのでしょうか！！2位のエディも今、暴風域を突破しレミルを追いかけます！！しかし届かない！圧倒的だレミル！レミルが今……1位でリングをくぐりました！！！15年ぶりに新たな3級王がここに誕生しました！！！』
「やったにゃああ！！」
「やりましたわ～～！！」
「お姉さん……見てるよね……私じゃないけど……新たな3級王……生まれたよ」
「私生で見ましたわよ！」
「奇跡です……良かったです見れて……」
私達はついつい涙を流してしまった……そうこうしているうちに会見が始まる……
『それではレミルさん！15年ぶりの3級王になった、今の気持ちはどうですか？』
『はい、とても嬉しいです……特に前回のあのレースをきっかけに私が3級王になるんだって思いました』
『前のレースというとミシュリーさんのあのレースの事ですか？』
『はい、私はミシュリーさんの大ファンであのレースを見てとても心を痛めました……だからこそ自分が3級王になってミシュリーさんの代わりになりたい……という夢が出来たんです。2級王になった時ミシュリーさんから直接……3級王頑張ってと言われたので……これは絶対に勝たないといけないと思い、飛んでいました』
『そうですか……それではその夢が叶ったということですね』
『はい……ですがまだ私は辞めるつもりはありません。私が思う最強の鳥族は今でもミシュリーさんです。私はこれからも活躍して……1位を取り続けてミシュリーさんに認めてもらうのがもう1つの夢ですね』
『分かりました素敵なお話ありがとうございました！以上！無事鳥族3級王を達成したレミルさんでした！！』
ということで記者会見が終わる……
「まさか姉さんのファンだったとは……」
ミシュが目を丸くして呟く……
「これはなかなか凄いことになりましたわ～伝説レースですわ～」
「でもまぁ……私も伝説を視れてよかったにゃ！！」
「これがあるからレースは分からないのですのよ！！」
「これから大変なことになりますよ……」
「何がにゃ？」
「見ていれば分かります……」
私は何のことかいまいちわからなかったが……とりあえず部屋に戻り今日はお開きにしたのだった。
