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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第2部 レース編
139/147

119話 違和感の正体にゃー


 「起きなさい、シャーリン」

「うにゃあ!?忘れてたにゃ!」

「レースの時間ですよ」


私はフランに起こされ、目を覚ます。

カレンダーを見ると今日は2月の23日で、2級レース本番の日なのだ。

そうして慌てて準備をし、レース会場へ歩いて行った。

今回私が1級レース前の試験として挑む2級レースは、陸上2級レース【パラビューラー】一級レースである【エレベスタリオン】と全く同じ距離でトラックは砂である。


「はぁ……はぁ……足が痛いにゃ……」


私は足を抑えながら歩いていく。

歩くだけでここまで足が痛くなる……一体なぜなのだろうか……

一昨日にトレーニングをし過ぎたせいもあるだろうが……

しばらく歩いているとエリ、ロミ、セレナが見えてきた。


「ちょっとシャーリン大丈夫ですの!?」

「一昨日に無理をし過ぎたのではないですか?今日はやめた方が良いですよ」

「うん!無理したらダメだよ!」

「でもにゃぁ……」


(おかしいにゃ……足が鉛のようにゃ……)


私は今日さすがに無理だと思い、レースを諦めることにしたのだった。

そうして部屋に戻った私は、そのまま椅子に倒れ込んでしまう。


「シャーリン?今日はレースでしょ?何してるの」

「んにゃぁ……足が動かないにゃ……」

「何かあった?1日で歩けなくなることなんてないでしょ」

「分からないにゃ……でも動かないにゃよ……」


とりあえず私は、フランを連れて近くの病院で検査をしてもらうことにした。

その結果は……


「シャーリンさん……あなた最近どれだけレースに出ましたか?」

「にゃにゃ?レースは1週間ほど前にゃ。一昨日トレーニングはしたにゃ……」

「今日が初めての2級レースだったそうだけど」

「そうですか……だとしたらおかしいですね……あなたの足は……恐らく15戦以上は連続で走っていますよ?覚えがないですか?」

「15戦連続にゃ!?」

「はい、このまま走り続けると怪我をする可能性があります」


私とフランは良く分からないまま歩き続ける。

医者から聞いた15戦以上の連続出場……全く覚えていない……

いったい、どういうことなんだろうか。


「おかしいにゃ……」

「確かにおかしいですね、5戦以上の出場は大会規定により禁止されていますので」

「じゃあ一体どうなってるにゃ!?」

「シュレーヌ様に聞くのが一番早いでしょ」


ということで私はフランの方に手を回し、よたよたのまま生徒会長室に向かっていった。

そこで医者から聞いたすべての事をそのまま伝えた。


「15戦以上の出場だと?私の所には今回の1戦しか来ていないがな……」

「どういうことなんでしょうか……」

「分からないな、昨日の事は覚えているか?」

「昨日はゆっくりと部屋で休んでいたにゃ」

「私が見てたからそこは安心です」

「フランが見ていたのならば、間違いはないな……」

「ではやはり医者の間違いでしょうか?」

「いや、それはないだろう。現に今歩くのも厄介な状態だ。何かしらを消されている可能性が高い」

「調べてみます!」

「シャーリンは引き続き休むといい」

「分かったにゃ!」


ということで私たちは、再び部屋に戻って行った。

何が起こっているのか分からない謎な違和感……これは一体……

隣にはフランが座っており、ひたすら悩む顔をしている。


「シュレーヌさんもシャーリンの事を知らないとするならば、シュレーヌさんにも影響を与えている可能性が高いです」

「にゃにゃ?どういうことにゃ?」

「つまり私たちは、何かしらの強大な能力を受けているということ」

「それってつまり……」

「【記憶消去】の可能性が高い……となると……天族が影響を与えている可能性もある」


(天族……前に魔動式運搬車をくれたエレミンも確か、天族って言ってたにゃぁ……)


「一応1人知っているにゃ」

「エレミンでしょ?私も知ってる。けどエレミンは恐らく無関係」

「そうにゃよねぇ……」

「そのとおりです!!」

「うにゃああ!?」


急に白い光で現れたのはエレミンだった。

さすが天族……


「今回の件について報告に来ました」

「私が15戦してるってやつにゃ?」

「何か分かったのですか?」

「はい今回の影響範囲は恐らく、このサイマージュソープ……マージュ国全体です」


私は目を疑った。

何かしら強大な力が、このマージュ国全体に広がっているということ……


「シャーリンさん、フランさん2月23日に何か違和感はありますか?」

「??特にないにゃ」

「なんでしょうか?」

「やはりそうですよね、あなた達もう16回2月23日を経験しています」

「にゃにゃ!?どういうことにゃ?」

「つまり一度も、明日が来ていないということです」

「でもそんなの覚えてないにゃよ?」

「はい、今回影響を与えている能力が……恐らく【強制睡眠】・【時間逆転】・【記憶消去】でしょう。この会話も前に2回ほど説明しています」


私はフランの顔を見るとフランは、横に首を振る。

どうやら全く覚えがないようで……


「これを持っていてください……役に立ちますから」

「分かったにゃ!」


私はエレミンに紙をもらった後、急な眠りに襲われそのままベッドに倒れ込んでしまった。

シャーリン: まさか同じ日を何回も繰り返していたにゃんて……早くこの繰り返しを抜け出さないといけないにゃ!ということでみんにゃ!これからも【猫の私は異世界に行きましにゃー】をよろしくお願いするにゃ!!

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