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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第2部 レース編
138/147

118話 既視感にゃー


 「起きなさい、シャーリン」

「んにゃあ!?忘れてたにゃ!」

「レースの時間ですよ」


私はフランに起こされ、目を覚ます。

カレンダーを見ると今日は2月の23日で、2級レース本番の日なのだ。

そうして慌てて準備をし、レース会場へ走っていった。

今回私が1級レース前の試験として挑む2級レースは、陸上2級レース【パラビューラー】一級レースである【エレベスタリオン】と全く同じ距離でトラックは砂である。




(なんにゃか頭が痛いにゃぁ……体もものすごく痛いにゃ……)


私はレース会場の廊下をゆっくりと歩いていく……

しばらく歩いていると何やら話声が聞こえてきた。


「いい?絶対あなたならできるわ」

「分かりましたお姉様」

「良いわ行ってらっしゃい」

「なんか聞いたことあるような気がするけどにゃあ……覚えてないにゃぁ……」


私は軽く首を曲げるもそのまま歩いていく。

正直、寝不足なのだろう。昨日も休みだったとはいえ結構長いこと起きていたのだ。

気合を入れ直さないといけない、ということで私は顔をはたく。

ジーンと痛みが生じ、慌てて頬を抑えた。

そしてしばらく進んだ先にはエリ、ロミ、セレナが手を振っている。


「シャーリン頑張ですわ!」

「頑張ってください」

「ファイト―!」

「頑張るにゃ!」


ということで迎えた本番。

私はスタート地点でスタートのポーズをとる。


『それではまいります!5、4、3、2、1スタート!』


私は完ぺきなタイミングで前へと抜けた。

まだ一昨日の疲労が残っているのか、足が動かない……

しかしここで逃げないとスライのような【極逃げ】まではいけない。


「にゃにゃ!?」


目の前に先ほど話していた子が割り込んできたのだ。

どうやら私を抜かせないようにしているらしい……


(おかしいにゃ……私の足……何で動かないにゃ……??)


あまりにもおかしすぎるのだ。

昨日1日休んだだけとはいえ全く回復していないなんてことはあり得ない……

しかし私は、何度も今考えたフェイントを繰り返し前に出ようとする……

だが結局抜かし切れずに私は2位で終わってしまったのだった。


「はぁ……はぁ……もう無理にゃ……はぁ……はぁ……」


足が震えている……

たった1レース走っただけなのに……こんなに疲れるなんて……

一応、表彰祭ワインドパレードの体力は残っていたのだが、結局最後は椅子に座り込んだ。

ふらふら歩きながら私が寮の部屋に戻ると、前にはフランが座っている。

何か話したいことがあるのだろうか……


「フランどうしたにゃ?みんにゃは?」

「寝てるわ、それよりレースお疲れ様」

「にゃはは……負けたにゃね」

「それで話があるのだけど……あなた前にもあの子と走った?」

「いや?今回が初めてにゃよ?……多分にゃ……」

「多分って何?」

「私も覚えてないにゃ、走ったような走ってないような気がするにゃ」

「ふーん……あの子の名前はミレー・ウラン」

「ウランってエリにゃ?」

「その妹」

「ミレーの今までの勝率を見てもあなたに勝てるとは思えない」

「それは可哀そうにゃ……でも私も一日しか休みなかったにゃ、それで疲労でたのかにゃ?もしくは【未来予知】とかにゃ?」

「【未来予知】はこの世界の頂点に君臨なされている種族……熾天使様の能力だからあり得ないわね。あなたのフェイントも、かなり熟練されていたようにも見えるし」

「にゃはは……たまたまにゃ」


(でも確かに……したことあったかのように、すんなりフェイント入れられたような気もするにゃ……)


この違和感の正体は一体何なのだろうか……

何なら、この状況すべて私の経験しているような気がしているのだ。

どうやら私以外で違和感に気が付いているのは、フランらしい。


「フランにゃ」

「なに?」

「にゃにか違和感ないにゃ?」

「違和感とは?」

「この話前もしたような気がするってことにゃ」

「そんなわけないでしょう?今初めてしたのだから」


(じゃあ私が変に夢で見たとかそういうことかにゃ……)


「でも……シャーリンが勝てないということには、なんで?とは思ってる」

「にゃはは……それは体力が……」

「1日も休んだら、あなたの体力すぐに復活するでしょう?」

「確かににゃぁ……」

「そこは私も、あなたじゃないから分からない、明日になれば分かるんじゃない?」

「そうだにゃ!じゃあ私はこれで寝ることにするにゃ!おやす……」

「待ちなさい。私もここで寝るわ」

「にゃにゃ!?この部屋でにゃ!?」

「それしかないでしょう?ほかにここを指すところがどこにあるのよ。私は床でいいわ。」

「んにゃあ分かったにゃ」


とフランが地面に横になる。

絨毯じゅうたんがあるため寝れることは出来るのだ。

フランには何か思いついたことがあるのか……

結局何も分からないまま、私も布団にもぐりこんだ。


フラン: シャーリンが言う違和感……何か嫌な予感がする。まぁ、私にも影響あるだろうし、早く解決できるならした方が良い……

あっ……皆これからも【猫の私は異世界に行きましにゃー】をよろしく。

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