116話 初めての1級レースにゃー
『ミシュリー今回もどんどんスピードが上がっていきます!止まらない!落ちない!ただ上がるのみ!一体どこまで行ってしまうのか!もう残り1500Mを切っているぞ!今回もレミン追いつけない!ミシュリーなんと空中1級レースこれで5連勝です!!』
「やはり強いにゃー」
「怪我して吹っ切れたという感じですわね」
「お姉さんに勝ちたいなぁ……フランならいけるんじゃない?」
「何故私?私は忙しいから、今はまだ……レースに出る予定はない」
「そういえば、最近フラン、トレーニング場に来てませんわ~」
「え?そうなの?」
「忙しいって言ってるでしょ?」
「それなら仕方ないですね、ただ空いた時間にでもトレーニングした方が良いですが……」
「そうね、分かったわ」
「うにゃああ!私も1級レースに出たいにゃー!」
「それじゃ、私は用事あるから」
「うん、またにゃー!」
私は、フランに手を振るとそのまま話を続ける。
この中で1級レース未経験者は私とエリとロミで、なるべく被らない路線で行きたいとも考えつつ、ライバルとして競い合いたい!という思いも、心の中のどこかで思っていた。
どうやらそれは私だけではないらしく……
「んで、エリは何の1級レースに出るにゃ?」
「そうですわね……私は【スぺイラー】の10連勝ですわ」
「エリは昔からそればっかでうるさかったです」
「ロミには言いたかったのですわよ!!というか私があなたにうるさいほど伝えたのに、ロミは私に何も言ってくれないじゃないですの!」
「まだ決まってなかったから当たり前です」
「もう決まったにゃ?」
「そうですね……私は3連王を狙おうと思っています」
「3連王……良いにゃあ……そういえば陸上の3連王って何だったにゃ?」
「確か【イシュレーヌ】【デスファイアー】【スペーシア】の3つ堕多様な気がします」
「名前が1つ恐ろしいものが混じっているにゃ……」
「でも空中3連王よりかは簡単だと思いますわよ」
「そうですわ~陸上3連王は空中3連王よりも昔からあるものですわ~」
「そうなんにゃね!ならば安心にゃ」
ということで、各々出たいレースは言い合ったのだが、唯一私だけは
まだどのレースに出ようか決めかねていた。
というかまずは、1級レースに出るために、2級レースで1位を取らないといけないのだが……
一応レースは出たいレースがあれば、すぐさま決めて参加することは可能らしい。
しかし、当日参加が可能なのは2級レースまでで、1級レースは1か月前に報告しないといけないらしい。
「とりあえず、私はこれから2級レースに向けて頑張るにゃよ!」
「ええ、デビュー戦はもう済ませてある皆ですからそこは楽でいいですわね」
「私たちは別に2級レース走らなくてもいいですわ」
「そこは羨ましいにゃ……」
そう、本来は、学園に所属して、デビュー戦が終わり2級レース経験してから1級レースが普通なのだが、中等部でレース経験者、もしくは、自由枠でデビュー戦と2級レースに出場している種族は免除となっており、1級レースにすぐ参加できるらしい。
本来では1位の種族が免除されるのだが私は、この学園生徒会長から、推薦されているため、特別に免除されてもうデビュー戦は済になっているらしい。
しかし、2級レースは走った経験がないため、私は2級レースから入ることになっている。
ということで、私たちはそれぞれ、出場するレースも決まったことなので、ひとまずは、楽しみに待つのだった。
私の2級レースは1週間後の木曜日……
それまでしっかりとトレーニングに励むのだった。
そこから1週間の間に私の周りではどんどんデビューが決まり、既に1級レースで1位を取っている種族も現れてきた。
さすがはスラチオ学園生と言ったところだろうか……
本来の一般学校ならばここまですんなりと1級レースで1位は取れないらしい。
エリから聞いた。
『エリが後ろから追い込んできます!なんという脚力でしょうか!最後尾から一気に抜き出てきました!1級レース【スぺイラー】初戦でエリがとんでもない追い込みです!後ろの種族も追いつくことは出来ません!そしてそのまま1位でゴール!!なんという初戦でしょうか!圧倒的な差をつけエリが堂々と1位でゴールしました!』
次の日では。
『第1級レース【フェルリー】初戦出場のロミがどんどん上がってきています!ここから差していくことは出来るのか!』
『昨日はエリの初戦、そして今日はロミの初戦ですか。2人共2級レースでかなりの実力を持っていますからね、ロミは特にここからだと思いますよ』
『おっと!?ロミがさらに速度を上げた!地面を揺るがすような大きな走りです!差せるのか!ここで……抜かしました!1位ので逃げていたミューを抜かし、今ゴールしました!!』
『素晴らしい差し戦法でしたね、並ぶことなく差していきましたよ』
『1級レースで暴れるのはやはりロミとエリか!』
エリとロミは順調そのもので、1級レースを2人意識し合うかのように1位を取っていた。
ライバルとは本来こういうことだろう。
「私もいつかこの2人に並びたいにゃ」
とモニターを見ながら、私は軽く呟く。
そんなことを考えながらトレーニングをしていると気が付いたら2級レースの前日になっていた。
シャーリン: うにゃあああ!エリもロミも羨ましいにゃぁ!早く一緒に1級レースで走りたいにゃぁ……2級レース早く1位取って1級レース頑張るにゃ!ということでみんにゃ!これからも【猫の私は異世界に行きましにゃー】をよろしくお願いするにゃー!!




