101話 レース練習再開にゃー
巨大なイベント【ランビスライブ】も終わり、もう一週間が過ぎようとしていた。
私たちはもう、レースに向けてのトレーニングを再開していた。
「私たちが目指さないといけませんのは、レースで一位を撮ることですわ!」
「えり、そんな分かり切ったことを何故今更聞くのです?」
「そうだにゃ、私たちは1位を取り続けているにゃ」
「甘いですわ!私たちの目標は陸上1級レース1位ですわ!」
部室で、私たちはエリの指導を受けていた。
そう、私たちは、2級レース以下では沢山一位を取っているのだが、1級レースでは1位を取ったことがないのだ。
私たちのグループの中で、1級レースを取ったとなると、ミシュ、フラン、スライ、この3名だけなのだ。
「大変なんだねー!」
「あなたはダンスを極めるにゃよ」
「もちろんわかってるよ!シャーリン!」
ということでセレナは私たちが作戦会議をしている横で、静かに舞を舞っている。
私たちの意図を組んだのか、結構静かに踊ってくれていた。
ミシュの完全復活まではまだまだ時間があるので、ミシュが戻ってくる前に私たちも強くならないといけない。
そのためには……
「でもどうしたらいいにゃ?難しいにゃよ」
「確かにそうですわね……」
「それだったら、とりあえず走りません?走ったらわかると思いますよ」
「そうするかにゃ!」
ということで、私たちは、再び、並走トレーニングをすることにした。
結果はというと……
「またもや1位でしたか……」
「全然追いつけないにゃ……」
「私はもうすぐで追い抜けますのに!!」
そう、2人が速くなるにつれて、私はどんどん後ろに下がってしまい、ついにはエリにも追いつけなくなってしまったのだ。
一番初めに3人で、レースをしたときは、確かにエリを追い抜かしていた。
なのに、練習をするにつれて、どんどん2人との差が広がり、ついにはエリにすら追いつけないという出来事となってしまった。
「なんでにゃああ!?」
「シャーリンさんは決して努力していないというわけではありませんから……どうしてでしょうか……」
「まだまだスタミナが足りないですわよ!」
「そうにゃのかにゃぁ……」
スタミナに関しては、練習を沢山していたため、そこまで重要ではない気はしていたのだけど、足が動かないということを考えると、やはりスタミナを鍛えて、余裕を持たせて足を動かすことが大事なのか……と考えてはいた。
「分かったにゃ!じゃあこれからもっとスタミナとパワーを鍛えるトレーニングするにゃ!」
「その意気ですわよ!」
「頑張ってくださいませ!リーダー!!」
「ねぇねぇ!トレーニングしないの?」
「「「……」」」
セレナの強烈な一撃に私たちは再び走り出す。
今回は競争式ではなく、3人が縦になり、後ろから順に抜かしていくというトレーニングだ。
これは前世のトレーニングでも入れる方法で、結構体力使うので、スタミナを上げるには、結構な最適に入ってくる。
あとは、階段ダッシュもあるのだが、今回は、先客がいたため断念した。
結構スラチオ学園は大きいのだが、その分学生もかなり多いので、トレーニングの場所はいつも取り合いになる。
ルール的には、2人以上並んだら、交代してトレーニングをさせるというルールにはなっているのだが、それだと効率が悪いていうことで、ほかのグループとかは、別のトレーニング施設や、公園などで練習をしているらしい。
私がこの世界で初めて見た種族たちも、時間的に恐らく、このスラチオ学園生だろう。
初めは混乱していたのだが、今となっては全然気にしなくなっていた。
(慣れって本当に恐ろしいにゃぁ……)
ということで私たちは1周走り終える。
正直1周だけだとそこまでしんどくはならないので、追加で、とある練習をすることにした。
レースでいちばんと言っても過言ではない大切なものがある。
それは……
「スタートですわ!」
「スタートは知ってるにゃ!赤い魔力玉が3つ上空に現れたらスタートにゃよね?」
「それもそうですが、上手にスタートするためには、それなりの姿勢が大事ですよ」
「どういうことにゃ?」
私には良く分かっていない、いったいスタートに何が重要になってくるのだろうか。
前世でも、そこまでレースに関しての知識がないため、良く分かっていないのだ。
「まずはスタートの基本の形を教えていきます。あなた達スタートの構えがめちゃくちゃですし」
「めちゃくちゃってなんですの!?普通ですわよ!」
「右手を後ろにして顔面を左手で覆うポーズのどこが普通なんですか!?それはもはや、ただの変態ポーズですよ!足だけは何とか出来てますが……」
「なんですって!?ではあなたはちゃんとしたポーズを取れますの!?」
「当たり前ですよ」
ロミは右足を下げ右手を前に出すとそのまま前傾姿勢になる。
前世で言うスタンディング・スタートと呼ばれるものらしい、私も昔、たまたま主人と一緒にテレビを見ているときに見ていた。
正直昔はレースには興味なかったので、あまり聞いていなかったが、ここでまさか生きてくるとは思わなかった。
「それではスタートの練習を始めましょう!」
ということで、私たちはこれから、初めてのスタート練習に入るのだった。
ロミ: 全く……今までスタートの練習を何故してこなかったのか……おっと、私の番でしたね……皆さん、今回のお話はどうでしたか?私は2人が心配になってきますね……
私がスタートの方法をしっかりと教えてあげましょうか!
おっとすみません……話が長くなってしまいましたね……
それでは皆様方、これからも【猫の私は異世界に行きましにゃー】をよろしくお願いいたします!




