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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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9話 初めての学園生活にゃー


 私たちはリンカさんに連れられて学園の中を3時間ほど歩き続けている。

なぜ、こんなに時間がかかっているのかというと、学園が巨大すぎるからだ。


「こちらが食堂になっております。食事は毎日3食、朝5~6時30分、昼12時00分~13時30分、夜は18時~19時30分までとなっております」

「食堂めっちゃ広いにゃ!!」

「あら~?これってもしかして~バイキングですかぁ~?」

「無料のクオリティじゃありませんわよ……これは……」


私達は高級ホテルのような食堂に感動している。

前世でもここまでの豪華な料理は食べたことがない。

食べていたとしても、魚くらいだろう。


「次は学園寮となります!皆様はこの学園にいる10年間この寮にて生活をして頂きます!門限は夜11時までとなっておりますので、よろしくお願いいたします!無断で門限を過ぎた場合1回目と2回目は注意で済みますが、3回目以降は始末書を書かないといけませんので注意してくださいね!」


私達は頷く。

正直始末書はめんどくさいので、書きたくはない。


「それでは見回りも終わりましたので生徒会長に会いに行きましょう」


その言葉を聞いた瞬間、周りの空気が変わったことに私はすぐに気づいた。

私達はそのままある大きな扉の前まで誘導される


「生徒会長!連れてまいりました!」

「入っていいぞ」


私達は中に入っていく。

中は、とても広く、部屋の両側には本棚が置いてある。


「本物ですわ……」

「凄いですわ~夢のようです~」

「あの方が全1級レース制覇の世界最強の……」

「そんなに凄いのにゃ……」

「改めて推薦組の皆今回は来てくれて感謝する。私がこのスラチオ学園高等部生徒会長及び理事長のシュレーヌだ。早速だが皆にはこの後、レースをしてもらう。私達の生徒とのな、もちろん負けても取り消しなんてことはない、実力を測るためだ」


私達に衝撃が走る。

まさか挨拶早々に、レースをするとは思わなかった。


「レース……ですか??」

「うむ、鳥族は別にレース場を用意している」

「わたくしたちでは余裕ではなくて?」

「エリさん……そんなわけないにゃ……ここはかなり有名って聞いたにゃ……つまり全員最低限の1級レースを経験しているはずにゃ……」

「その通りだ……私たちの学園は生徒全員が1級レース経験者だ。しかも全員が5位以内のな」


勝てるわけないにゃ……そんなのバケモノにゃ!!


「凄いですわ~そんな方たちと飛べるなんて~楽しみでしかないですわ~」

「にゃ?にゃ?」

「まぁ今回は歓迎レースとでもいうべきだろうか……ぜひ楽しんでほしい」


楽しめるわけないにゃー!!


「それとロミ、エリ、シャーリン、コッルル、ミシュ、フラン」

「はい」

「なんですの?」

「にゃにゃ?」

「はい~?なんですか~?」

「私?」

「私まで……なに?」

「君たちは第1級レース優勝経験者たちと一緒に別で走ってもらう、一応レースは2時間後それまで部屋でゆっくりするといい」


私達は顔を見合わせて固まり……


「「「「「ええええええー!!!?」」」」」


一斉に叫んだのだった。


その後、各自部屋を案内される。

どうやら部屋は2人部屋らしい。


「よ……よろしくにゃ……」

「よろしく」


何にゃこの子……めちゃくちゃ話しかけずらいにゃ!!

地味に怖いにゃ……


「あの……」

「なに?」

「私シャーリンって言います……その初心者で……」

「知ってる……馬車で聞いた、あまり話しかけてこないでほしいんだけど、レースの為に集中したいから」

「ご……ごめんにゃ……」

「フラン」

「え?」

「私の名前よ、フラン・カーネイト」

「よろしくにゃ!」


それ以降話すことはなかった。

そして私はミシュの部屋へと向かう。


「あらまあ~シャーリンさんではありませんか~」

「にゃにゃ?スライさんと一緒にゃ??」

「そうだよ~運良かった~」

「そうですね~これからどうかよろしくお願いいたしますわ~」


私はうらやましそうな顔をする。

正直私も、みんなと一緒になりたいと思っていた。


「シャーリンはどうしたの?」

「にゃぁ~実は……」


私は今の事情をすべて話した。

フランさんと同室になり、気まずい空気が流れていることを。


「フランさんは昔からとてもまじめな方ですわ~」

「そうなんにゃ?」

「中等部では50戦40勝だったね……ものすごく強い人でしたよ」

「わたしも負けてるし鳥3級レースで」

「そうなんにゃ……」


私は首を落とす。

確かにレースには真面目で、恐らく努力家なことは私にも見て取れた。


「確かにあの方割と気難しいところはありますわね~話しかけて仲良くなるのが一番だと思いますよ~」

「分かったにゃ!頑張ってみるにゃ!」

「うん!頑張って!」


私は再び部屋へ戻る。

正直悩んでいても仕方がない、ここは頑張って仲良くなるしかないのだ。


「ただいにゃー」


反応はないがチラッと私の顔を見る。

正直私の事を見る目は冷たい。


「何で戻って来たの?私が苦手なら戻ってこなくてもいいじゃない?」

「仲良くしたいと思ってにゃ……」

「はぁ……ここは学園、仲良くする暇があるなら練習するべきでしょう?仲良くなるのが目的ならここに来なくてもいい」

「それは……」

「話は終わりね。それと……あなたミシュさんを努力家だと思っているけれど……まったく違うわよ」

「え?」


私は目を見開く。

本当かどうかは分からない、けどフランには確信があるようで……


「あの子は血統の才能だけで勝ち上がっただけ、だからこのレースで思い知ることになる。努力をしなかったことを……このレースは私が勝つ。才能か努力かそれが歴然とわかるでしょうね」

「そんな言い方はないにゃ!ミシュだってお姉さんの為に頑張ってるって言ってたにゃ!」

「なら今まであの子が練習していたところ見たことある?中等部では練習になんて一切来ず遊んでいた。そんな子が個人練習なんてすると思う?」

「それは……分からないにゃ……」

「ここに来て本格的に練習するつもりだろうけど、それだけだと絶対に1級レースは勝てない。1級レースというのは努力なしで勝てる2級のような甘いレースじゃない。もうわかったでしょ?分かったなら放っておいて」

「……分かったにゃ」


私は結局何もフランと話せないまま終わってしまった。

やはりフランと仲良くなるのは無理なのだろうか?


(やってやるにゃよ!!)


私も負けず嫌いなのだ、このまま引き下がるわけにはいかない。

ということでここから私からフランへの挑戦が始まることになるのだった。


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