98話 本番前日にトラブルにゃ~
私たちはあの後、とりあえず全体練習を何度かした後、第2部枠を鑑賞した。
第2部のパフォーマンスでは、どうやら音楽と魔法とダンスを組み合わせた混合パフォーマンスらしく、ものすごい迫力があった。
今回は対戦形式ではないため、コラボの合同でパフォーマンスをすることも多かったらしい。
ということで、いよいよ【ランビスライブ】2日目に入る。
明日はもう本番の為、これからはもっと本気で練習をしていかないといけない
ということで私たちは再び練習をするために裏ステージへと歩いて行ったのだが……
「あれ?先客がいるにゃよ?」
「本当ですわね……」
「つまり練習できないってこと!?」
「いやいや……使えなくなったからって練習できないわけではないでしょう」
ということで私たちは、急遽楽器を持って運搬車に向かう。
そう、裏のステージが使えなくなったからって、私たちには巨大な運搬車があるのだ。
その中で練習をすれば防音なので、迷惑は掛からない。
唯一難関なのは、結構運搬車まで距離があることだろう。
「これから行きますわよ!」
「おー」
ということで私たちはゆっくりと楽器を運搬車まで運んでいく……
正直一番厄介だったのは、エリの大太鼓だった。
さすがにパワーがあると言っても、倒れてしまうとエリでも重さに耐えられない恐れがある。
だからこそ大太鼓は、3人で運ばないといけない。
そんなふうに考えていると、ようやく運搬車が見えてくる。
「やっと着いたにゃ!」
「なかなか大変でしたわよ!」
「確かのそうだにゃ、この台車結構支えるの苦労したにゃ……」
「とりあえず時間がないのでささっと始めましょう」
「ここに来るまでに10分はかかりましたわ~」
「時間がないですよ!急いでください」
エリとフランはせっせと準備を始める。
私たちも負けじと準備をしていく。
正直鳥族である、ミシュ、フラン、スライは、手の力自体はそこまである訳じゃないため、重い大太鼓、キーボード、琴は私とロミ、エリで運ぶことになる。
セレナは何をしているのかというと……
「はぁ……はぁ……」
温泉旅館のベッドに横になり一人で眠っていた。
そう、なぜ一人だけ隔離されているのかというと……
「セレナが風邪ひいた!?」
びっくりしたのはミシュだった。
朝起きたとき、セレナは体をフラフラさせ歩いてきたのを、スライがいち早く発見し、体温を測った結果恐らく風邪だろう。
となり、今、氷水で冷やしタオルを、おでこの上、羽の付け根部分に当てている。
精霊族と鳥族などの空中種族に関しては、動脈が一番通っている所がおでこと羽の付け根部分なのだ。
だからそこを冷やせば治りやすいのだ。
「まぁ今日休めば明日なんとか演奏できますわよね?」
「病み上がりで演奏もどうかと思うけどにゃあ……」
「私……ダンスする……コホ!コホ!」
「無理したらダメにゃ!セレナはイメージトレーニングをしていてほしいにゃ!」
「コホコホ!分かった……」
ということがあり今に至るのだ。
だからここには私たち6人がいることになるので。
「とりあえず大太鼓と銅鑼と尺八の人はこっちにゃー」
そう得意な楽器で分けていこうと考えて、私はメンバーを組んでいく。
ということで完成したチームはまず、私と、エリ、スライは同じAチームで、ロミ、ミシュとフランがチームBチームになった。
正直、何故このメンバーになったのかは分からないけど、再びチーム組み直すとなると時間がかかりすぎるのでやめることにした。
そして今日の練習は、それぞれ2つのグループに分かれ、2つの格納庫で練習をすることになり。
私たちのAチームがこの第一格納庫、フラン率いるBチームが第二格納庫を使うことになった。
もちろんちゃんと理由はある。
大太鼓が大きくて重いため、そう簡単に動かすことが出来ないのだ。
「とりあえず私たちは何するにゃ?」
「このメンバー基本マイペースですわよ」
「私は真面目ですわ~」
「スライが一番マイペースですわよ!?」
「エリも相当マイペースにゃ……」
「そうですわ~私たちでとりあえずダンスの練習でもしません?きっと楽しいですわ~」
「楽器の練習ですわよ?」
「とはいえ、演奏自体は出来てるにゃよね……私たちに一番いいのは、本番を見据えた全体練習にゃ。でもこの運搬車の中では、本番を想定した配置での演奏はできないにゃ……」
「確かにそうですわよね……」
「新しいことをするしかないですわ~」
ということで、私たちはとりあえず、今日の所は楽器練習をいったん中止して、ダンスの練習に取り掛かるのだった。
そんな私たちをよそにミシュのいるBチームでは……
「ミシュまた走ってる」
「いい加減周りの音を聞いて」
ミシュがフランに厳しく指導されていた。
そんな中、ロミはというと、一人でギターの練習をしていた。
「今までの演奏を聞いてて思ったのだけど、やはりミシュが一番できていなかった。尺八という楽器があったのは、私初耳だけど音程はなんとなくわかるし」
「そうだと言っても難しいし!」
「何でもかんでも難しいと言って逃げるのはだめでしょう」
「そんなぁ!ロミ―!!」
「すみません……私から言えることは……頑張ってください」
「ぴえええ!!」
その後もミシュの悲鳴が第二格納庫に響き渡る。
そしていよいよ明日、私たちのイベントが始まる。
私たちは明日に備えゆっくり休養を取ることにするのだった。
ピョリン: やっほー!久しぶりです~!推し達の活躍ちゃんと見てくれたかなー!?今回は私が宣伝していくよ~!ということで今回は!まさかのセレナ様が風邪で!さらに裏ステージが使えなくて全体練習が出来なくなるというトラブル!でも推し達なら切り抜けられるよね!
それでは皆様!【ランビスライブ】頑張ってほしいです!私も間近で見るのが楽しみです!
これからも私の推したちがたくさん登場する【猫の私は異世界に行きましにゃー】よろしくお願いいたします!!




