94話 セレナ込みの練習にゃー
私たちがこの学園に来た後、他のグループも全員戻ってきたようで、もう明日からどうやらトレーニングが始まるらしい。
本来はもう少し皆遅れてくるものだと思っていたので、今日からもうトレーニングできると聞いて少し驚いた。
「とりあえず、セレナはダンスの練習って言われたにゃよね?」
「うん!レースしていない種族が、レースの練習すると故障の原因になるからって特別にね!」
「じゃあ私たちはこれから、陸上のトレーニングをするにゃよ!」
「私たちは空中トレーニングに行きますわ~」
ということで私たちはそれぞれ別々に分散していった。
まぁ今日はセレナに関しては【陸上トレーニングのエリ・ロミ・シャーリンとなら一緒にいていい】という許可を得ることが出来たので、私たちの後についてきている。
その理由は空上レースだと、もしも何かが空中で起こった場合、落ちてきて怪我をする恐れがあるからだ。
ということで私たちはひたすらトレーニングをしている。
私はひたすら腕立て・腹筋・背筋・スクワットなどの筋トレメイン。
ロミはひたすらスタートダッシュの練習。
エリはパワーを求めるためひたすら巨大な鉄でできた円形の球を引っ張ったり押したりしている。
それぞれトレーニング方法は違うけど、最終的には並走トレーニングなど走るトレーニングも少しは、するので、問題はない。
「いちにっ!さんしっ!ごーからろくのたーん!しゅぴーん!」
私の隣では楽しそうにダンスの練習をするセレナの姿があった。
正直に話すと、セレナのダンスは普通の踊りとは違い、何やら前世で言うところの、舞のようなイメージがある。
手の広げ方、ターンの仕方、表情の変わり方もほぼすべて完ぺきと言っていい。
「にゃぁ……凄い頑張ってるにゃ……私も頑張らないといけないにゃ!」
私はさらに回数を増やしてみようとするのだが……
「うううにゃあああ!289にゃああ!」
これ以上回数を増やすと、腕と足がパンパンになってしまう。
しかし……私と対称的に、セレナはというと……
「いちに!うーん……何か違う!じゃあこれは!どう!です!か!キラーン!」
ものすごく舞を楽しんでいる様子で、自分で違うなと思ったところはすぐに別の舞に変えることが出来る。
これが俗にいう才能というものだろうか?
しかし私もセレナには負けてはいけない……
「シャーリン~ちょっと手伝って~」
「はぁ……はぁ……どうしたにゃぁ……」
私はもうセレナに合わせることはやめにする。
さすがに体力が持たないのだ。
「一緒に踊ってくれないかな?」
「にゃああ!?私ものすごく疲れたから、しばらく休憩するにゃ」
「そっかぁ……うん!分かった!じゃあ休憩終わったらよろしく!」
と言ってまたダンスの練習に戻る。
正直セレナの体力は底が見えない、妖精だから体力がないのかと思っても見たのだが、前のパフォーマンス部門での、精霊族パフォーマンスでは、精霊族の皆は息を切らしていた。
魔法がエネルギーを使っている可能性もあるのだが……
私は一息深呼吸を入れるとそのまま立ち上がりセレナの所に歩いていく。
「おっけーにゃ!」
「ほんと!?ありがとー!私の踊ったことを、後から真似してみてね!」
「にゃあ?」
私は言われるがままセレナのダンスを見る。
両手で花を咲かすように、手を大きく回した後、つむじ風のように、くるくる回る。
どうやらそれだけらしい……結構簡単のようだけど……
私は言われた通り見たまま踊ってみることにする。
「ちょっと違うね、こうだよこうしっかりと腕を伸ばして」
「こうにゃ?」
「そうそう!そのままくるっと!」
「くるっと……にゃ!?」
私は足がもつれそのまま倒れてしまった。
先ほどしたときは足なんて絡むことなかったのに……
「痛いにゃ……」
「ダンスは初め難しいよね、この踊りは私が独自で考えた踊りなんだ!手を大きく動かして綺麗にゆっくり大きく踊る。かなり難易度高いよー!」
話している最中にも別の踊りを踊っている。
どうやら本当にダンスが好きなのか、笑顔で楽しそうに踊っている。
「私も負けてられないにゃ!」
ということで私は早速、トラックの中へと入っていく。
トレーニングは主に、基礎トレーニングと筋トレが基本で、タイム図るためのみ、実際のトラックを一周走るのだ。
「にゃぁ……一周全力で走るからタイムを測っていてほしいにゃ」
「うん!ここ一周は大体何Mなの?」
「大体3000Mにゃね」
「はーい!ではよーい!スタート!」
私は思いっきり地面のゴムを蹴る。
やはりここでも鍛えられるようで、前に比べたらよく走れるようになっている。
しかし……何かが違う……
私はそのままゴールを駆け抜けた。
何故か、全然疲れてはいない。
その理由に私は昔から気が付いている。
「タイムどうだったにゃ?」
「3分46秒だよ!」
「やっぱそうだにゃぁ……」
「どうしたの?」
「私初めてここで練習したときも、3分46秒なんにゃ」
「そうなんだ!変わってないの?太ったとか?」
「そうなのかにゃぁ……でも太ったらタイムは遅くなるはずにゃよね?」
「確かに!でもまぁひたすらトレーニングするしかないんじゃないかな!私応援するからもっと鍛えてまた最後で走ったらいい!」
「そうするにゃ。またタイムよろし行くにゃ」
ということで私は最後にもう一回測定するためにひたすら練習を繰り返していくのだった。
エリ: 今回は私たちが宣伝ですわ!
ロミ: ええ、そうですね。では早速次話の告知をしましょうか。
エリ: 告知はネタバレだからダメですわよ!?
ロミ: でもほらシャーリンが言ってたモニター配信では次週っていうそうですよ?
エリ: だったら今見てる皆さんの反応見たらいいですわ!
ロミ: それよりも、全然宣伝になっていませんね
エリ: 誰のせいですの!?
ロミ: そんなことより早く締めましょう
エリ: そんなっ!?……まぁいいですわ……ここは喧嘩する場所じゃないですし…‥それでは皆さん!次話も【猫の私は異世界に行きましにゃー】をよろしくお願いいたしますわ!
ロミ: エリより私の活躍!よろしくお願いいたします!
エリ:私よりってどういうことですの!ちょっと!ロミ!待ちなさい!!




