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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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87話 温泉合宿に思わぬ種族達にゃー


 私たちは雪道をひたすら走っている。

雪はすでに降っていないので見やすい。


「地図によるともうすぐですわ!」

「楽しみですね」

「温泉だー!」

「ミシュ……うるさいですよ」

「フランも楽しみそうですわ~」

「にゃはは皆楽しそうで何よりにゃ」


しばらく運搬車で走っていると、奥に巨大な建物と目の前に看板が立っている。

そこには【マージュ国立マージュ温泉まで残り10KM】と書かれていた。

やはり長さの単位は前世と同じ単位らしい。


「ここから飛ばすにゃー!」


私はアクセルをさらに踏み込む。

その途端ものすごい後ろに引っ張られた途端、急加速する。

正直前世の車では雪上でこんな加速は出来ないだろう。


「ちょちょちょ!!速すぎー!!」

「あわわわ~~!」

「このまま突っ込みですわ!」

「エリ、少しは黙ってなさい!」

「はぁ……壊したら弁償だけど……大丈夫?」


私はフランの言葉で速度を落とす。

正直ここの弁償になってしまうとかなりの額になるので、それはさすがにダメだと思ったからだ。

そうして走っていると私たちの運搬車より少し小さい運搬用だろう運搬馬車が見えてくる。


「あの馬車でか!」


ミシュが叫んでいる。

やはり私の思った通り、馬車にしてはすごく大きいのだ。

いったい何人で動かしてきたのだろうか……

いや、馬車だから何馬というべきかな?


私はそんなことを考えていると、駐車場が現れる。

この大きさの運搬車が止められる場所はないため、近くの広場に止めることにした。

この運搬車の凄いところは、何よりも私しか動かせない鍵式というところだろう。

鍵を回さないと黄鉱石の接合部が外れ、魔力伝達が無くなり、動かなくなるのだ。

本当に前世の車と同じみたい。


私たちはとりあえず温泉旅館の中に入っていく……

前世で見る異世界風の建物とはまるで違う、どちらかと言えば前世の旅館に近い作りになっている。

というよりこの世界の建物(陸上ドーム)は、すべて現実に近い形で、コンクリート建造になっているようにも思える。

ただ宿屋、学園等はすべて中世風の異世界のような作りになっている。

つまり前世歴史風建物(旅館等)・前世現代風建物(陸上レースドーム等)・前世近未来風建物(空中レース場や全自動運搬車等)・異世界風建物(商業ギルドや学園等)すべて混ざり合って存在する世界ということだろう。

しかもそのすべてが前世のようにちゃんと溶け込み違和感が全くない。

前世の日本でもいろいろ混ざり合っている場所はある。

それがいい感じに思い出せるので、かなり懐かしい気持ちになる。


「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

「6人にゃ!」

「かしこまりました。それではこちらの2号室をお使いくださいませ。しかし珍しいですね、このような大雪の日に、スラチオ学園様からわざわざここまでお越しくださるなんて……」

「そんなに珍しいの?もう1台運搬車が見えたけど」


ミシュが首を傾げている。

確かにそうで、結構大型の運搬馬車が止まっていたのだ。

それはそれはかなり大きな学園が来ているに違いないと、ミシュは考えているのだろう。

まぁそれは誰だって思うとは思うのだが……


「はい、最初のお客様は10名のご宿泊でした」

「あれで10人ですか?」


ロミは首を傾げる。

あの大きさの馬車を引くには少なくとも10人は必須の為、学園全体出来ていたのだと思っていたのだが、飛んだ間違いだったようだ。


「そういえば象族とサイ族が3人がかりで引っ張ってきたようですよ」

「ああ~!」


そういえば、この世界はどんな大きな動物でも身長190CMは超えない。

重さもちゃんと人間くらいの軽さまで落ちるため、象も倒れて死んでしまうこともない。

でも身体能力やパワーは前世と同じくらいある、

つまり、巨大な乗り物を象族やサイ族で引っ張ってくることは余裕に出来る。

もっと詳しく言うならば、象族3人が突っ込んできた場合、本物の象が3匹突っ込んでくるパワーと、同じになるということ。


(ということは……家が吹っ飛ぶパワー-にゃーー!!)


そんなことはさておき、私たちは早速部屋に向かって歩き出した。

2号室はどうやら2階にあるらしく1号室が左端、2号室が右端にあるらしい。



スタスタ……と2人組が廊下を歩いている。


「ねぇお姉ちゃん誰か来てるよ?なんまらかわいい子たちじゃん!」

「ちょっと、はしゃぎ過ぎよ!でも……あの子たち……どこかで……」

「お姉ちゃんの知り合い?だとしたら、なして知り合ったの?」

「そこまで覚えてないね、結構きかない子だったような気がするけど……何処で見たかなあ……覚えてないなぁ」

「無理して思い出さなくてもいんでないかい?お姉ちゃん」

「まぁ、それもそうかしらね」


その頃、私たちは受付を済ませ廊下を歩いている。

前からはどこかで見たことあるような2人組が歩いてきていた。


「こんばんはにゃ」

「こんばんはですわ」

「こんばんはです」

「こんばんは~!」

「こんばんはですわ~」

「……どうも」

「あら、皆さん。どうもおばんです~」

「やっほー!おばんですー!お姉ちゃん行こ!」


2人組はそのまま歩いて行った。

見た目はものすごく可愛い……のだが私は1つ引っ掛かったことがあった。


「おばんですってどういう意味ですの?」

「今の流れだとこんばんはだと思うにゃ」


確か昔見たことある気がする……ご主人様が良く出張していたので、方言の本を見たことがあった。

おばんです……確か北海道弁のこんばんはだった気がする……多分??


(あの子たち、私と同じく前世の日本……北端にある大きな県から来たにゃ……?いやでも……そんなふうには思えないにゃよね……となるともしかして、そこにしか生息しない動物の種族は……みんな方言使えるにゃ?)


まだ私には分からないのだが……あの子たちには羽が生えていた……つまり鳥族ということ……

北端にある大きな県にしか生息していなくて、あんなに可愛い顔をしている鳥類と言えば……


(恐らくあの鳥にゃ……?)


まだ確信には程遠いが、その可能性をみんなに伝えることにしたのだった。

シャーリン:皆も分かったかにゃ?正解は今までに出てきている種族にゃ!


   エリ:ええい!早く知りたいですわ!


   ロミ:次の話まで待ちなさいエリ!


シャーリン:それじゃあ次の話もよろしくにゃー!!

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