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猫の私は異世界に行きましにゃー  作者: 蜂鳥タイト
第1章・第1部 ライブ編
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84話 温泉合宿に行くにゃー


 私は今、運搬車に乗り学園に向かっている。

正直周りからの視線は凄い。

それはそうだろう、今までにないほどの超巨大な運搬車、正直、前世では考えられない。ここまでびっくりした顔を見せてくれるとサプライズが楽しみでわくわくする。

まぁ……道はこの車体が通るにはかなり狭いが……

そんなことを思っていると、いよいよ学園が見えてきた。

かなり高い位置から見下ろしているおで、なかなか不思議な経験……

エンジンを使って動かしてはいないので、音もものすごく静か。

ということで私は皆を玄関前に呼ぶことにした。


「なななんですの!?この大きなものは!」

「これが……魔力式運搬車まりょくしきうんぱんしゃですか?」

「それにしても大きすぎない??」

「凄いですわ~たくさん入りますわ~」

「全く……一体どこに置いておくのよ」

「それは安心しろ、私に任せてほしい」

「生徒会長!」

「この学園の方式を変えようと思ってな、今ある寮を解体し、新たにグループごとの小さな寮を作ることに決めたのだ。他のグループも運搬車が入ってくるようだしな」

「さすがです生徒会長!」

「だが……問題は壊してから建設することだ。だからそれまでは別の場所で生活をしてもらうことになる。期間はおよそ2週間だ」

「今日からライブまで4週間……結構時間ないにゃ」

「本来はライブ後にしようかと考えたのだが、あまりにも運搬車が必要なグループが多くてな」

「分かったにゃ!なんとかするにゃ!」

「頼む、明日から解体作業を始める。ちなみに大事なものは預けることもできるからな」


ということで、生徒会長は行ってしまった。

むしろ私たちには好都合だと思う。

このような大きな運搬車を共同で保管するにはちょっと厳しいからだ。


「でも一体どうするつもりですの?」

「そういえばあれあったにゃよね?夏祭りの」

「もしかして温泉旅行券!?」

「まだ期限ありましたっけ?」

「これでしょ?シャーリンが床に落としてたけど」

「にゃにゃ!?そうにゃ!そういえば私が預かっていたにゃ」

「何しているんですのよ!?危なかったですわね!?」

「期限は来年まで残っていますね、これから行きますか?」

「ここからかなりの距離あるけど、これ燃料大丈夫?あなたのことだからそこまで計算してるとは思えないから」

「それは心配ないって言ってたにゃ!全部黄鉱石という鉱石で出来ているから魔力は多いって言っていたにゃ!ライブの為の練習も兼ねて合宿にゃ!!」

「黄鉱石!?これ全部!?」

「さすがの技術ですわ~」

「それじゃあ荷物まとめて行くにゃー!」


ということで私は側面についている1ボタンを押す。

すると再びドアが開き収納スペースが現れる。

これが魔力式全自動運搬車なのだ。

恐らく私たちしかこのような運搬車は持っていない、終始皆はもう、目を丸く唖然とした顔で見るしかなかった。


「凄いですわね眺め」

「シャーリンが動かすの大丈夫?心配しかないんだけど」

「大丈夫にゃ!慣れてるにゃ!」


私は元々車という乗り物を知っている。

だからなんとなく操作は分かるのだ、どうやら動かし方も前世の車とほとんど同じで。

違うのはこの運搬車一台で、陸上と水上、雪上車にもなるという変幻自在な点だろうか……


「それでは出発にゃー!温泉旅行にゃー!」

「「「「おー!!」」」」

「いやいや、温泉の合宿でしょ」

「それにしてもあまり揺れませんのね」

「私も思いましたよ、エリ、かなり速度出ていますからね」

「私隣の部屋に行ってくる!ベッドあったし!」

「ミシュは騒がずに安静にしてなさい」


ということで各々この車を探索することにするのだった。

あまりにも巨大なため、中を少しだが歩き回ることが出来る、前世と違い走っているのは草原のど真ん中で他の車も少ない。

だからブレーキを踏む心配もないので、かなり進みやすい。

あと驚いたのが、なんとこの運搬車マニュアルが付いておりギアを操作する必要があるのだ。

操作するたびに、前に見えているローラーの付け根が動いている。

私の主人はこういうのが本当に大好きなので、使い方はもう見慣れていた。


「まだまだ行くにゃよー!」


とどんどんスピードを上げていく。

恐らく体感時速60KMは出ているとは思うのだが、この運搬車がかなり安定するので、そこまで出ているとは思えない。


「ちょっとシャーリン速すぎですわ~」

「この運搬車ここまで速度出るのね、そういえばこの先は海だから気を付けて」

「その時は水上用に切り替えるにゃ!」


ということで私はとりあえず今見える丘を登っていく。

一応荷物とかは、来るときにきつく縛りつけているので、多少の斜めには大丈夫にしてある。


シャーリン:「道を進み~見える景色~」

ミシュ  :「地平線のその先に~」

ロミ   :「あなたの声を~」

エリ   :「届かせるわ~」

スライ  :「夢を追いかけ進んだ道きっと忘れないで~」

フラン  :「悲しんで~悔しんで~それでも笑えるように」

全員   :「いつかあなたに勝てるように!」

全員   :「遠くへ~飛んだ(走った)君の背を追いかけ、叶うならずっとそのままに、ねえもういいよずっと私と一緒に、今あの向こうへ」


「……ねぇ、いったいなんの歌?」

「今考えた即興ソングにゃ!ただ乗ってても退屈にゃし」

「フランもノリノリで歌ってましたよ」

「忘れなさい。ロミ」

「即興ソング面白いですわ~」

「これ新曲にいいですわよ!?」

「私は却下かな」

「これを歌は、私もちょっと嫌だにゃ……」


そんな会話をしながら、私たちは今日から温泉合宿に向けて走り出す。

まぁ、私が歌った本当の理由は、この時点での速度は恐らく前世で考えると、時速100KMは超えていると思う。

皆は、ここまで速い乗り物を乗ったことがないはずだから、少しは怖くなると考えたからだ。

結果は少し驚くだけで、そこまで怖がってはいなかったのだが……

何がともあれこれからは楽しくなる。

そんな思いに私は心を高鳴らせた。

フラン  :「いつか高く大空へ~……」

ミシュ  :「倉庫で何してるの?」

フラン  :「!!?忘れなさい!」

ミシュ  :「ちょっと!?そんなに怒ることないじゃん!退散!!えっと……皆これからも応援よろしく!」

フラン  :「ちょっと待ちなさい!ミシュ!!」



スライ  :「相変わらず2人は仲良しですわ~」

ロミ   :「まだいい騒がしさですね。どこかの誰かさんと違って」

エリ   :「まさか私じゃありませんわよね!?」

シャーリン:「車内走り回ったら危ないにゃよ!」

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