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視線
リンちゃんが投げたボールが宙に舞う。
ボールは地面と水平や斜めに回ったり、空中で自転したりしていた。
「どうして、こうなるの?」
リンちゃんは首を垂れる。
「………………」
リンちゃんは、また視線を感じた。
(ジト目かな、白い目かな、冷ややかな目かな)
「……どうやればできる?」
リンちゃんがおそるおそるポーリャを見ると、その視線は羨望の眼差しだった。
「ポーちゃん?」
尋ねるリンちゃん。
「リンちゃんみたいに使いこなしてみたい」
思い悩んだ様子で答えるポーリャ。
「私はただ、前にやったことを生かしているだけだよ」
気軽に話すリンちゃん。