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想像力が豊かな子
* * * * *
リンちゃんは姫野先生の吹いた曲を一発で再現した。
「リンちゃん、すごいね。まるで|先生みたい」
マリーが驚きの声を上げる。
「楽譜見ながらだもん。先生には程遠いよ」
姫野先生の演奏を思い出し、リンちゃんはまだまだと、マリーに話す。
「それでもすごいよ。どうやればそういう風に吹けるの?」
マリーは聞いてくる。
クラスの子たちも集まってきた。
「うーん、楽譜を見て、頭の中でイメージするぐらいかな」
「イメージ?」
「うん。歌や曲って物語みたいなものでしょ。楽譜や歌詞からどんな感じかなー
って想像してから、歌ったたり吹いたりかな」