音が彩る幻想を

第九話 甘えることと頼ること

とぼけた顔に

「図書室(としょしつ)では静(しず)かに、だよ」

「……ありがとう、ポーちゃん」

「手伝(てつだ)うよ。早《はや》く片付《かたづ》けちゃおう」

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　リンちゃんとポーリャは、図書準備室(としょじゅんびしつ)に入(はい)っていく。

「どうしたの、リンちゃん」

　小声(こごえ)で話(はな)すポーリャ。

「どうしたって何(なに)が？」

「難(むずか)しい顔(かお)」

　人差(ひとさ)し指(ゆび)で頬(ほお)をつつくポーリャ。

　リンちゃん頬(ほお)を膨(ふく)らませ、抵抗(ていこう)する。

　また頬《ほお》をつつくポーリャ。

　空気(くうき)が抜(ぬ)け、またほほを膨(ふく)らませるリンちゃん。

　それを何回(なんかい)か繰(く)り返(かえ)すと、リンちゃんはとぼけるのをやめ、重(おも)い口《くち》を開《ひら》く。