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内緒の約束
「先生すごーい。だったら、ポーちゃんを見つけたり空を飛んだりできる?」
「ええ。ポーリャさんは森に向かうこの道をまっすぐ歩いていくと会えますよ」
姫野先生は森の中に続く道を指さした。
「空を飛ぶのは今夜、リンちゃんの家に行って見せますね。それと、このことは
内緒よ」
「わかりました。約束します。先生、ありがとうございます!」
リンちゃんは人差し指を口に当て話す姫野先生と約束し、森に行く道を走る。
「リンちゃん、見っけ」
「ポーちゃん!」
その先にはポーリャがいた。
「はぐれた。ごめ――」
「ポーちゃん!」
リンちゃんはポーリャが言い終わる前に名前を呼ぶ。あちこち歩いていたのか、
それともリンちゃんを探していたのか、ポーリャのシャツやズボンには、木の葉や
土がついていた。
リンちゃんとポーニャは手をつなぎ、公園の出入り口についた。
「また明日ね、ポーちゃん」
「また明日。リンちゃん」