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途方に暮れる
雨が降る。降り続く。
ポーリャは一言だけ発し、歩いて行った。
(みんなからは大人に見えているんだ……)
リンちゃんは公園のベンチに呆然と座っていた。
ブランコや滑り台が雨に打たれていく姿をぼーっと見つめる。
風が強く吹く。横殴りの強い風が。
雨が服や髪にあたり、少しずつ濡れていく。
「どうしよう……」
リンちゃんは同じ言葉を何度も繰り返しつぶやいていた。
遅くなるとメールを打っても、家に帰れるかどうか。
ずっとこのままなのだろうかと、悪いことばかりが頭をよぎる。
* * * * *
「どうしたの。リンちゃん」
途方に暮れていたリンちゃんに、誰かの声が届く。