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姫野先生
「姫野先生?」
「あら、リンちゃん。こんにちは」
「こ、こんにちは……」
ぽかんとしているリンちゃんに、姫野先生は声をかけた。
「森で迷っている子を感じたら、リンちゃんだったんですね」
「先生、なんでわかったの?ひょっとして魔女?」
「正解、良くわかったわね」
(冗談で言ったのに。こんなことをなんて言うんだっけ……嘘から出た実かな?
でもでも、光るタンポポなんて初めて見たし……)
まるでワルツのように 頭の中で、?が踊る。リンちゃんも目を回していく。
「リンちゃん、落ち着いて」
姫野先生の近くに光る綿毛が集まっていく。
「きれい……それにふしぎだわ。昼なのに光っているのがわかるなんて」
「こういうこともできるわよ」
綿毛の光が変わっていく。赤、青、黄、緑、紫、橙、白、黒、彩り豊かに。
「世界にあるふしぎなこと。自然の中に宿るもの。その力を借りるのが魔法なの」