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春眠
「朝霧ちゃん!」
リンちゃんは朝霧に説明しようとする。
「今は授業中ですし、絵に専念してください。お話は休み時間にでも」
* * * * *
絵を描く場所を決め、リンちゃんとポーリャ、朝霧は下書きを始める。
「昨日魔法を使ったときにも、ふしぎな感じはしていましたわ」
「ふしぎな感じ?」
「ええ。春なのに春が遠い、そんな感じですわ」
「そうなんだ……」
休み時間での朝霧との会話に、リンちゃんは思い当たる節があった。
(やっぱり雪のせいだよね……)
自分のしたことで、心を痛めるリンちゃん。
そんなリンちゃんを見て、口を開く朝霧ちゃん。
「季節が遅れているだけでしょうから、しばらく待てば元気になりますわ」