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綿毛の案内
リンちゃんがよく見ると、光っているのはタンポポの綿毛だった。
「どうしてタンポポが光っているの?」
ふしぎに感じていると、風が吹き、綿毛はゆっくりと流される。
風が森の木の葉を揺らす中、リンちゃんは追いかけた。
ポーリャといたときは、歓迎しているように聞こえた森の音が、一人の今では、
怖がらせているように、リンちゃんには聞こえた。
「出口だ」
薄暗い森から外に出ると、太陽の光に明るく照らされた花畑が、リンちゃんの
目に飛び込んできた。
「奇麗……こんな場所があるなんて……」
リンちゃんは視線を下し、周囲を見渡す。
道を見つけたリンちゃんは、視線を戻すと、人がいることに気づく。
先の折れ曲がった。つばのあるとんがり帽子を被り、コートを着て、スカートをはいた
女性がいる。
魔女を思わせるその人の顔に、リンちゃんは見覚えがあった。