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有言実行
「朝霧ちゃんってどんな魔法を使うの?」
遠い目でつぶやいていた朝霧にリンちゃんは尋ねた。
「清白さん……それもポーリャさんも。自分のことは自分でなんとかなさい」
「えー。見せてよー。せっかくだしー」
「私は小学生のから魔法を学んでいますの。言うなれば先輩ですのよ。先輩の
言うことには従って、もう少し敬意のある言い方をなさってください」
「だったら尊敬させてよ」
「は?」
「尊敬されたいんなら、尊敬されるように動いてほしいな」
「……みんな平等」
ポーリャも賛同する。
朝霧は頭を抑え、深呼吸し、ケースから杖を出すと、魔法を唱える。
――春夏秋冬、今は春
春の日差しとぬくもりが
濡れた教室、温める