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お掃除しよう
* * * * *
「『教室のお掃除をお願いします』だって」
「えー、本校舎でもやったのに、こっちでもやるの?」
マジック研究会の教室にある黒板には、そう書かれてあった。
「せっかく魔法の練習しに来たのになあ」
「これも部活。ちゃちゃっと終わらせちゃおう」
ポーリャはもくもくと机を隅に運ぶ。
「はーい」
リンちゃんも机を運んでいく。
運び終えると、掃除道具入れから箒を取り出し、ポーリャに手渡す。
「あ、そうだ!魔法でお掃除すれば練習にもなるし、一石二鳥よ!」
「……確かに」
リンちゃんの提案に、ポーリャは賛成する。
「じゃあ、まず私が掃き掃除するね」