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笑うと笑みと
「最初から話せる。ただ、日本は相手のことを考えて話すと良いって母さんから
教わった。そういうのは苦手だから、できる限りまとめて話すようにしていた」
「私もイギリスからに住んでいたから、わかりますわ」
落ち着いた|のか、メガネをかけなおし笑う朝霧。
笑みを返すポーリャ。
置いてけぼりを感じたリンちゃんは愛想笑いをする。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ると窓側、廊下側、机の周り、いろいろな場所にいた子たちは、
自分の席に戻っていく。
しばらくすると、姫野先生がやってきて、挨拶して出席をとる。
「……今日も全員出席だね。朝のホームルーム始めるよ」
笑みを浮かべ教壇で挨拶する姫野先生の話が終わると、授業が始まる。