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生活委員
「良いですか。自由だからと何をしても良いと考えているなら、変えてください。
定められた規則の中で自由を楽しんでくださいと言っているのです」
(確か……朝霧さん)
廊下側の席で、眼鏡をかけて雪に埋もれた子とリンちゃんは思い出す。
「えーと、生活委員さんかな?」
「言いたいことはわかるよ。ただもうちょっと緩くても良いとは思うんだよ」
「ですから――」
相手が反論する。
「どうしたの?リンちゃん」
「止めようかなって、考え中」
クラスメートは朝霧さんの言葉をのらりくらりとかわしている。暖簾に腕押しな感じに、朝霧さんの声が荒くなるのを見かね、リンちゃんは止めに入る。
「おはよう、朝霧ちゃん。その辺にしておこうよ。ホームルーム始まるよ」
「りっかさんでしたかしら。あなたも、この方々の肩を持ちますの?」
「そういうわけじゃ……あとできれば、リンちゃんって呼んでほしいな」