5/165
迷子はだあれ
リンちゃんが公園に到着して、しばらくするとポーリャが来た。
「へっへー。私の勝ちかな」
勝ち誇るリンちゃんを見て、ポーリャは問いかける。
「リンちゃん、お昼は?」
「あ!」
リンちゃんのお腹が鳴った。
「大丈夫。持ってきた」
「ありがとう!ポーちゃん!」
ポーリャはバスケットからサンドイッチを出し、二人で食べる。水筒から温かい
お茶をコップに入れてもらい、一息つく。そして公園の中にある森へ向かう。
「……ここ、どこ?」
森に入って歩いていると、いつの間にかリンちゃんは一人になっていた。
「もう。どうしてポーちゃんは、いつも迷子になるのかな」
薄暗い森を怯え、さまよう。瞳を潤ませ、歩くリンちゃんの前に、うっすらと
光りふわふわと浮くものが現れた。