48/165
ポーリャの魔法
リンちゃんは教室に戻り、ポットのプラグをコンセントに挿す。
「先、やって良い?」
頷いて先を譲り、リンちゃんはポーリャの様子を、固唾をのんで見守る。
――クマよ、クマ、クマ、クマの神
ぬいぐるみとして出ておいで
ポーリャが魔法を唱えると、茶色いクマのぬいぐるみが魔法陣の上に現れる。
「ポーちゃんってクマの魔法を使うんだね」
「本物と一緒、制御が大変。猛獣だから」
クマは対策には、鈴や大きな動作や穏やかな声、目を合わせつつ後退するなどが
必要になるほど、危険な生き物である。
(ポーちゃんはクマのお話とか好きだからね。神話とか童話とか)
クマのぬいぐるみを抱き上げるポーリャを見て、リンちゃんは杖を取り出す。
「次は私の番。耳の垂れたウサギを作ってみせるよ」
リンちゃんはそう言って魔法を唱える。