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しばらくは三人で
「失礼します」
リンちゃんがガラッと扉を開けて入ると、そこには姫野先生がいた。
「あれ?ほかの人は?」
「しばらくは私たち三人よ」
リンちゃんの質問に姫野先生が答える。
「この環簪花中学校の文化部で会がつくのは、ほかに優先することがある子
向けでもあるの。入院中の子もいれば、委員会や習い事が忙しいの子もいるわ」
「幽霊部員?」
ポーリャが幽霊と言った瞬間、ぞわぞわっと鳥肌が立つリンちゃん。
「そうよ。マジックの発表会には、参加だけどね」
緩い感じに話す姫野先生に、リンちゃんは勘違いと気づく。
「マジック研究会の会員は今入院中の子が一人と新入生四人の合計五人。
新入生は全員私のクラスよ」
「誰ですか?」
「朝霧さんとマリー君」