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見守り
「おはようございます。今日は、季節外れの大雪により、委員会決めだけです」
開口一番、姫野先生が話すと、クラスは騒然となる。
クラスが静かになるまで、姫野先生は口を閉じていた。
「制服が濡れてジャージに着替えた子は、乾くまで学校にいても大丈夫だからね」
姫野先生は話し終えると、黒板に委員会の名前を書く。
「この中から、やりたい委員会を選んでね」
* * * * *
「先生、さようならー」
「はい、さようなら。また明日ね」
教室には姫野先生とリンちゃんとポーリャだけとなる。
「魔法の使いどころを間違えると、どうなるかわかったかな?」
「はい……骨身にしみました……」
「なら、お茶を飲んで温まろうか」
姫野先生は二人にお茶を淹れる。身も心も温まるよう、思いを籠めて。