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雪まみれの校庭
外には雪が積もっていた。それもかなり。
「降ったね」
「そ、そうね……め、珍しいよね、私の膝ぐらい積もるなんてね……」
(どうしよう……ちょっと降らせるだけだったのに……)
雪はいまだにしんしんと、降り続ける。
リンちゃんは、雪景色を眺め、途方に暮れた。
(……どのぐらい降らせるかもイメージしとくんだった)
リンちゃんとポーリャは共に旧校舎と校舎を結ぶ、渡り廊下を歩く。
外には校舎に向かう人影がある。
レインコートを着て|ひたすら歩く姿に、リンちゃんは見覚えがあった。
(あれは確か、朝霧さん……)
ドサッと近くの木から雪が落ち、雪山を作る。
リンちゃんその音は怯えながらも、虫の知らせを感じた。