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しつけ
リンちゃんは黒板を見て、魔法のことも考える。
(もし誰か見つかったら、手品ですって言えるもんね……)
先ほどのポーリャの様子をリンちゃんは思い出す。
同時に良心が痛む。
(ポーちゃんにも内緒か……)
リンちゃんは幼少から、一緒にいるポーニャに、魔女見習いのことを言おうと
するのを、グッとこらえた。
(約束したもん。先生と)
リンちゃんは小学生の頃を思い出す。
* * * * *
「十八時には帰ってくるようにって、お母さんと約束したよね」
「つい夢中になっちゃって……」
「約束を破ったから、しばらくお小遣い抜きね」