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再挑戦
やがて音は大きくなり、音も音色に雑音に混ざりだす。
そして空気を切り裂くようなキーンと甲高い音が鳴った。
「なんで、マイクをスピーカーに近づけた時の音がするの!」
リンちゃんは耳をふさいで叫ぶ。
急に教室が静まり返る。
リンちゃんがきょろきょろと周りを見ると、姫野先生が魔法を使っていた。
「発想はよかったわ。音をイメージできると、もっと良くなるわ」
「先生、ありがとうございます」
優しく笑う姫野先生に、リンちゃんは感謝の言葉を述べ、再度呪文を唱える。
目標は、紙コップ。水が少しだけ入った、紙コップ。
――音色よ、音色、音の色
水を鳴らして、ちゃぷちゃぷと
コップが揺れだして、ちゃぷちゃぷと音を立てる。