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扉を開けると
リンちゃんは先生と一階に降りて、マジック研究会の教室まで一緒に歩く。
「ありがとうございました」
「気をつけるんだよ。廊下や階段で急ぐと、誰かにぶつかったりするからね」
そう言って|ろうかを歩く先生を見送ると、リンちゃんは扉をノックした。
「はい、どうぞ」
「失礼します」
開けた扉の先では、ポーリャと姫野先生がお茶を飲んでいた。机にはポッドと
紙コップ、粉末紅茶とスプーンがある。
「入会希望で良いのかな?」
「はい!」
「それなら、この入会届に学年とクラスと名前を記入してね」
紙コップにティーバッグを入れ、お湯を注ごうとする姫野先生。
ポッドのボタンを押すと少しだけお湯が出る。それ以降は音が鳴るだけだった。
「水、入れてきます」
「ありがとう、ポーリャさん」
ポーニャはポットを持って、教室の外に歩いていく。