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もしもの話と現実と
「おはようございます。皆さん」
代理の先生が挨拶する。
「おはようございます」
クラスの声がひとつになって挨拶を返す。
代理の先生もよい先生で、いろいろ親身になって教えてくれる。
(もし、この先生が最初からクラスの担任だったら、どんな感じだったのかな)
リンちゃんはもしもの話を想像する。
そこでも姫野先生が出てきて、ほっこりしているとホームルームが終わる。
(姫野先生の家族の人。早くよくなると良いな……)
「アイドルのコンテスト?受けるの?」
授業を終えて家に帰り、リンちゃんは母に岩筒地にもらった紙を見せた。
「うん。受けても良いかな?」
「ええ。りっかさんがやりたいことなら応援するわ」
「何事も挑戦だよ。書類の書き方とか、僕もできる範囲で協力するよ」
リンちゃんは母と兄に書類の書き方を教わり、必要事項を埋めていく。