158/165
姫野先生の思い
光る綿毛は姫野先生の周りを漂う。
「違うの!イメージ通りだけど違うの!綿毛はこっち!私の周りなの!」
「次は上手くいくよ」
姫野先生はリンちゃんとポーリャの杖に魔力を籠めようと手をかざす。
「待って、先生」
リンちゃんが呼び止める。
「今のままで良いですか?今日この日を、いつでも思い出せるように、このままが
良いです」
「私もそれが良い」
ポーリャも続く。
「二人が良いのなら、それで決まりね」
姫野先生は手を引く。
「次、お会いする時が楽しみですわね」
「そうだね。美海華ちゃんからは、何かある?」
「そうですね……マジック研究会の顧問は弟子を探すためにされてますか?」
「それもあるし、息抜きでもあるよ。ずっと音楽漬けだと、肩が凝っちゃうから。
趣味を仕事にすると大変だよ」