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リンちゃんの思い
「これが私の精一杯。あとはリンちゃんに任せる」
「わかった。ありがとう、ポーちゃん」
リンちゃんは杖を構え、呪文を唱える。
(ポーちゃんから託されたバトン、つないでみせるんだから)
――音色よ、音色、音の色
あの日あの時、あの場所の
出会いを作り出してみて
私が初めて見た魔法
心の中にキラキラと
きらめく思い出、そのままに
リンちゃんが呪文を唱え終えると、教室が森の中に変わっていく。
目の前には光るタンポポの綿毛がある。
暗い森の景色がいきなり明るくなっていく。
そこには、花畑と姫野先生と光る綿毛があった。