152/165
三人の食事は久しぶり
* * * * *
「なるほど。リンちゃんが遅くなったのは、そういうわけだったのか」
「さあ食べましょう。ごはん冷めちゃうわ」
リンちゃんが家に帰ると、父と母が夕食の準備して待っていた。
帰ってきた母にお帰りなさいを言うリンちゃんに、ただいまを言う母。
「そう言えば、今日火災報知器がどうのって、騒ぎがあったよ」
「火災報知機は、煙や温度や光に反応するから、何かと間違えたのかな」
「機械だって間違えるわよ。焼き肉やバーベキューの煙でも鳴ることもあるし」
リンちゃんは、母の言葉に顔を強張らせた。
「うちは遠赤外線で上から焼くロースターだから、煙や匂いは抑えてあるよ」
父の言葉に一息つき、ゆっくりと火が通っていく肉や野菜を眺めるリンちゃん。
「実はねリンちゃん、今度はお父さんが明日から出張なんだ」
「えー、今日お母さん帰ってきたばかりなのに?」
「大人にはいろいろあるのよ」