150/165
力を合わせたその先で
先生たちや同級生が子供たちをなだめているのを見て、ポーリャが呟く。
「魔法でみんなを落ち着かせようよ」
「それを私たちで?かなり難しいですわよ」
「三人で力を合わせてやろうよ」
リンちゃんの提案に朝霧とポーリャは頷いて、それぞれ呪文を唱え出す。
――音色よ、音色、音の色
――クマよ、クマクマ、クマの神
――春夏秋冬、今は春
――ひとまずみんなを落ち着いて
リンちゃんとポーリャと朝霧が重ね合わせた杖の先から光が広がっていく。
「音が出るボタンって、こういう時のためにあるんだね」
杖を下した時に音が鳴り、マリーは杖のボタンを押し、リンちゃんに手渡す。
ポーリャと朝霧からも杖を渡され、リンちゃんはバトンジャグリングを始めた。