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場を温める先生
マジック用の服に着替えて集まる。
「私もズボンがよかったかな……」
スカートはリンちゃんだけで、ポーリャも朝霧もマリーもズボン姿だった。
「僕もスカートにしようか?アイルランド風に」
「個性ですわ」
「かっこいいはこっちでやるから、リンちゃんはかわいいを追及して」
マリーと朝霧とポーリャが話す声には、緊張の色が見えた。
「姫野先生が順番のくじ引いて、だって」
子犬のようにじゃれつく弟たちの相手をしつつ、華怜はマジック研究会の
四人にくじを引かせる。
手品はマリー、朝霧、ポーリャ、リンちゃんの順になった。
「私が最後――」
リンちゃんの悲鳴は、子供たちが集まる場所では歓声にかき消された。
「すごーい。レモン入れたら、またお茶の色が変わった」
姫野先生が子供たちにお茶を配っていた。
(あれはマロウブルーってお茶よね。確か)