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多種多様な考えに
「もー!なんなのあの先生!嫌味を言いに来たの?」
期待してますよ、と言い残し、教頭先生が閉めた扉を、リンちゃんは睨む。
「リンちゃんはそう受け取っちゃうかー」
姫野先生は、お茶を淹れ始める。
「だってみんなが楽しんでいるところに水を差すような人だよ!」
「たとえ正論でも、状況見て言ってほしい」
「そうだね。そういう考え方もあるね」
リンちゃんとポーリャの前にコップを置く姫野先生。
「教頭先生みたいな考えもある。リンちゃんやポーリャちゃんの考えもある」
姫野先生はコップを口元で回し、お茶の香りを楽しみ、口をつける。
「いろんな意見があるからね。全部受け入れて答えを出せる人は、素敵な人よね」
「ぐぬぬ……」
リンちゃんは苦悩する。
教頭先生の考えをどうするか、リンちゃんは頭を悩ませ、答えを探す。
(そういう考えもあるって思うぐらいはしても良いかな……)
最終的に受け入れようと決め、リンちゃんは手品の練習に力を注ぐ。