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魔法と手品
「私はマジックをやりたいです」
「やるなら文芸部に入り、部で手品の本を読んで、家でやってはどうですか」
「コツを聞くのも大切」
教頭先生の提案とリンちゃんのポーリャも反対する。
「だからお茶の道具があるのですか」
「水分は必要です」
リンちゃんは強めの口調で話す。
「会話すると、喉も乾く」
「会話は確かに必要ですね。言葉にして初めて分かったり伝わったりします」
教頭先生は理解を示した。
「だからと言って、頻繁に来るのは、どうかと思いますよ」
「私たちは、ここで!マジックの練習をやりたいです!」
「手品の練習は、家でもできるでしょう?」
教頭先生は馬の耳に念仏といった感じで聞き流し、会話は平行線を辿る。
「でしたら、こうしましょう。じきに行われる発表会で、日々の成果を見せて
ください。毎日練習しているなら、さぞ素晴らしいものなのでしょうね」