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変わり目
第十四話 三人寄ればなんとやら
「おはよう、朝霧ちゃん」
「おはようございます。岩筒地さん」
朝霧と岩筒地が挨拶をする。
夜の学校でリンちゃんのノート探しに付き合ってからしばらく。
クラスの朝霧を見る目は少しずつ変わってきていた。
「どうしたの、ぼんやりして」
「清白さんは、人気あるんですね……まるでアイドルみたいですわ」
「ポーリャちゃんの力もあるよ。リンちゃんはああ見えてそそっかしいから」
岩筒地は苦笑して、朝霧に答える。
「それにみんなが変わったのは、朝霧ちゃんが変わったからだと思うよ」
「私が、ですか?」
「そうだよ。『人とか環境とか人間関係とかを変えるのと、自分を変わるのは
どっちが楽と思いますか?』って前に姫野先生が教えてくれたよ」