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見つけたもの
「そういうところ、直そう」
「…………そうしますわ」
沈黙を挟んで、朝霧は少し顔を赤くしてポーリャに答えた。
「じゃあ行こうか。先頭よろしく」
「怖いなら怖いってちゃんと言ってくださいね」
「だって夜の学校って怖いもん。お化けとか幽霊とかいそうで」
リンちゃんを真ん中に廊下を歩き、理科室に到着する。
「あったー!」
明かりをつけた理科室で、リンちゃんは使っていた机からノートを見つける。
「うん。ありがとうポーちゃん、朝霧ちゃん」
「こちらこそありがとうですわ。清白さん。ポーリャさん」
「お礼はリンちゃんに」
「なら姫野先生に言って。私は真似ただけだもん。先生の言葉はすごいんだよ。
まるでお薬みたいに心にしみるから」
リンちゃんはポーリャと朝霧に話しながら、理科室を後にして電気を消した。