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学校到着
「たまには風景を変えると新しい発見がありますわよ」
朝霧の案内で少し遠回りし、学校へ向かうリンちゃんとポーリャ。
携帯で親に連絡して、道案内を買って出た朝霧に感謝するリンちゃん。
普段の道は住宅街を通っていて、今自転車で走っている大きな道は車道と歩道に分かれている。
自転車通行可の標識やいろんなお店の看板がリンちゃんの目に飛び込む。
しばらくして学校に到着し、リンちゃんたちは警備員室に向かい挨拶する。
「こんばんは。ちょっと待ってね」
警備員さんは脚立に上って蛍光灯を変えていた。
「はいお待たせ。清白さんだっけ、《はなし》は聞いていますよ」
警備員さんはリンちゃんたちを学校内に通し、水槽に向かう。
「あのお魚さん、いつもこの時間にご飯なんだ」
つぶやくリンちゃん。
校門近くにある警備員室には魚の泳ぐ水槽があり、いつ水替えやエサやりを
しているのか、クラスでたびたび話題になっていた。
ひとつの謎を解決して、リンちゃんは靴箱へ急ぐ。