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夜の公園
「眺めも風も気持ち良い――」
夜の風を体に受けたリンちゃん。
急に高度が下がる。
「もう魔法が――せめてどこか隠れやすいところに――」
リンちゃんは箒をコントロールし、公園の森上空まで飛ばす。
そこで魔法が切れ、森の中に落ちていく。
「……どうしたのリンちゃん、急に空から」
「こんばんは、ポーちゃん」
木の枝がクッションになったのか、リンちゃんの体はかすり傷で済んだ。
「あー服に鉤裂きが!これお気に入りだったのに」
「というかそれパジャマ。いったん帰ろう」
ポーリャはリンちゃんに着ていた上着を羽織らせる。
「ありがとう、ポーちゃん」
「で、こんな時間にどうしたの。私みたいに魔法の練習?」
「学校に忘れ物を取りに行く途中だったの」