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ガチャンの音は苦手です
第十三話 忘れたものは、どこですか
「宿題学校だー!」
父と夕食を食べ、後片付けを終えて部屋に戻ったリンちゃんは、叫んだ。
「明日は日付と出席番号が同じ日だから、やっておきたいのに――そうだ!」
リンちゃんは生徒手帳を見て、中学校の電話番号を調べる。
そして、一階にある電話機の番号を押していく。
「はい。環簪花中学校です」
「あの、一年生の清白りっかと言います。忘れ物を取りに行っても良いですか」
「良いですよ。もう暗いので、気を付けて来てくださいね」
電話に出た先生が許可をくれた。
私服でも良いと話され、お礼を言い、受話器を置く所にあるボタンを手でそっと
押してから、受話器を戻すリンちゃん。
「携帯要るよね。持ってこよう」
リンちゃんは二階の自室に戻る。