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光ったあとで
自動販売機は一瞬だけまばゆく輝く。
リンちゃん、ポーリャ、朝霧全員が強烈な光に目がくらむ。
「何が起きましたの……」
「あたりを引いたとか」
視界が戻り、朝霧の声に答えるリンちゃん。
「あれ、この子どこの子?」
苦笑いを浮かべる朝霧の後ろから。ポーリャが言う。
リンちゃんが振り向くと、小さな子が真後ろにいた。
幼稚園児ぐらいだろうか。
小さな子はリンちゃんをじっと見る。
「私リンちゃん、あなたは?」
小さな子は首をかしげる。
ポーリャと朝霧が自己紹介しても、どこ吹く風といった感じに聞き流す。
「お父さんやお母さんは?一人で来たの?」
小さな子は一つ目の質問は首を横に、二つ目は首を縦に振る。