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花と会話と自販機と
携帯をいつ買ったのか、フィルムやカバーやストラップをどう決めたかを話して
いると、約束の時間の十分前に朝霧がやってきた。
ブルーのマウンテンパーカーに白のスキニーパンツの服装で歩いてきた。
連絡先を交換して、花畑を楽しむリンちゃんとポーリャと朝霧。
花の種類や案内版を見て、会話が弾み、のどが渇く。
ちょうど近くに自動販売機を見つけた。
「アイスクリームの自販機もあるのですね」
「リンちゃん、いつもみたいに半分こする?」
「うん。そうしよう(ポーちゃんが言い出すなんて初めて……)」
ポーリャが少しずつ変わっていることを実感するリンちゃん。
「フルーツ果汁入りしゅわしゅわバー……あった」
袋から取り出して、半分に割るポーリャ。
お金を半分出して受け取るリンちゃん。
「私はこのクルミチップのかかった、バニラアイスにしますわね」
朝霧がボタンを押すと、自動販売機が光った。