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いただきます
「ホットドッグなら、ありますよ」
リンちゃんは机の上にあるホッドドッグを見る。
「いたただいていいんですか?ありがとう、リンちゃん」
「はい。魔法も見せていただきましたし」
姫野先生はホットドッグを受け取ると、夜空に舞い上がる。
「光る箒って、かなり目立ちますね」
「大丈夫ですよ。魔法が私を隠してくれますから。また明日、会いましょうね」
姫野先生の遠ざかっていく姿をリンちゃんが見ていると、冷たい風が吹いた。
「寒い――」
窓とカーテンをリンちゃんは慌てて閉める。
「ただいま」
「あ、お父さんとお母さんだ。おかえりなさーい」
「ただいまりっかさん。今日は中学校の進学祝いにご馳走よ」
りっかと呼ばれ、ほっぺたを膨らませたのもつかの間、リンちゃんはご馳走の
言葉を聞いて喜ぶ。マイバッグを一つ持ち、一緒にダイニングに向かった。